四十肩・五十肩は、40〜60代を中心に起こりやすい肩の痛み・違和感・可動域制限をまとめて表した呼び方です。

実際には肩関節周囲炎をはじめ、腱板や関節包など肩関節周囲の組織が関係している場合があります。

当院へ来院される方に多いのが、

「いつの間にか肩が動かなくなっていた」

というケースです。

日常生活の動作 よくある症状
洗濯物を干す 腕を上まで伸ばせない
後ろの物を取る 肩が痛くて後ろへ回らない
車の後部座席へ手を伸ばす 腕を後ろへ回せない
ハンドルを大きく回す 最後まで腕が回らない
上着を着る 袖を通す動作で痛む
電車のつり革を持つ 腕を上げて外側へ回せない

昨日まで普通に動いていた肩が突然動かなくなるというより、少しずつ動かしにくくなり、ある日「こんなに上がらなくなっていた」と気づく方が多いのが特徴です。

一方、転倒・衝突・スポーツなど明確な外傷をきっかけに肩が痛くなった場合は、四十肩・五十肩だけではなく、腱板損傷など別の状態も考える必要があります。


レントゲンで「骨はきれい」と言われた方へ

四十肩・五十肩で来院される方の中には、

「整形外科でレントゲンを撮ったけれど、骨には異常がないと言われた」

という方も多くいます。

レントゲンで骨に明らかな異常がなくても、肩関節周囲の軟部組織が関係している場合があります。

一方で、四十肩・五十肩と似た症状を起こすものに、石灰沈着性腱板炎や腱板損傷などがあります。

現在の可動域・痛む方向・夜間痛の有無・施術後の変化を確認しながら進めていきます。


四十肩・五十肩 LEVEL分類

当院では、現在どのくらい肩を動かせるのかを確認し、施術計画を立てるためにLEVEL1〜3に分類しています。

  LEVEL 1 LEVEL 2 LEVEL 3
腕の高さ 150°以上 90〜120°程度 90°未満
状態 上まで動くが痛い 途中から上がらない 肩より上へ動かしにくい
可動域制限 軽度 中等度 強い
施術期間の目安 約1か月 約2〜3か月 約3〜6か月
自宅リハビリ 必要 重要 特に重要

※LEVEL分類は当院が施術計画を立てるための目安です。
※施術期間には個人差があります。上記は指定した簡単な体操・リハビリを自宅でも継続した場合の目安です。


LEVEL 1|150°以上上がる

腕を頭の上まで上げることはできるものの、途中や最後の角度で痛みが出る状態です。

日常生活はある程度できますが、

「最後まで上げると痛い」
「後ろへ回すと痛い」
「左右で動きが違う」

といった症状が残っています。

主な施術

施術 内容
電気治療 肩関節周囲へ使用
手技 背部・肩甲骨・肩関節周囲を施術
超音波 痛みが出ているポイントへ使用
専用ストレッチ 内旋・外旋・挙上動作を広げる

施術期間の目安:約1か月

動かせるから大丈夫と判断せず、残っている可動域制限を確認しながら日常生活で使える状態まで戻していきます。


LEVEL 2|90〜120°程度まで上がる

肩の高さから頭の高さ程度までは上がるものの、それ以上になると痛みが強くなり、腕が止まる状態です。

洗濯物を干す、つり革を持つ、高い場所の物を取るなど、頭より高い位置で行う動作が難しくなってきます。

主な施術

施術 内容
電気治療 肩関節周囲へ使用
手技 背部・肩甲骨・腋窩周囲を中心に施術
超音波 特定の角度で強く痛むポイントへ使用
専用ストレッチ 可動域を段階的に広げる
肩関節体操 内旋・外旋・挙上動作を回復させる
自宅リハビリ 現在の可動域に合わせて指導

施術期間の目安:約2〜3か月

LEVEL2になると、

「どの動きをしても上腕の同じ場所が強く痛む」

という方がいます。

この場合は痛みが集中するポイントを確認し、必要に応じて超音波を集中的に使用します。


LEVEL 3|90°以上上げられない

肩の高さまで腕を上げることが難しく、肩関節全体の動きが低下している状態です。

腕を上げるだけではなく、内旋・外旋にも強い制限が出ていることがあります。

主な施術

施術 内容
電気治療 肩関節周囲へ使用
手技 背部・肩甲骨・腋窩まで広範囲に施術
超音波 痛みが集中するポイントへ使用
ラジオ波 肩関節周囲を温めながら動かす
専用ストレッチ 現在動かせる範囲から開始
自宅リハビリ LEVELに合わせて段階的に実施

施術期間の目安:約3〜6か月

LEVEL3では肩関節周囲全体の動きが悪くなっている場合が多いため、ラジオ波を使用しながら肩関節周囲を温め、手技・ストレッチ・運動療法を組み合わせていきます。


腕を捻れますか?

四十肩・五十肩では、単純に「腕が上がる・上がらない」だけを見るわけではありません。

当院では特に、

内旋・外旋・肩甲骨の動き

を確認します。

確認する動き 症状の出方
外旋 上腕後方に痛みが出ることがある
内旋 肩関節前方に痛みが出ることがある
挙上・外転 一定の高さから痛みや制限が出る
肩甲骨 肩と一緒に大きく動いてしまう
手首・手指 強い可動域制限がある方では動かしにくい場合がある

LEVELが上がるほど、内旋・外旋の制限も強くなる傾向があります。

肩をかばっている期間が長い方では、腕全体の動きまで硬くなっていることがあります。

そのため状態によっては、手指・前腕からほぐし、腋窩(わきの下)・肩甲骨周囲へ進んでいく場合もあります。


当院の施術ポイント

LEVELによって使用する治療機器や施術量は変わりますが、基本的な施術の流れは共通しています。

STEP 施術内容
1 うつ伏せが可能な方は背部〜肩関節周囲をほぐす
2 仰向けで肩関節周囲を施術しながら腕を少しずつ動かす
3 腋窩・肩甲骨内側の硬さを確認する
4 前鋸筋・肩甲下筋など肩甲骨の動きに関係する部分を施術
5 内旋・外旋の動きを少しずつ広げる
6 現在上げられる位置まで腕を上げ、段階的にリハビリを加える

最初から無理に大きく動かすのではなく、現在動かせる範囲を確認しながら少しずつ可動域を広げていきます。


夜、肩が痛過ぎて全く眠れない

四十肩・五十肩で特につらい症状のひとつが夜間痛です。

「痛い方を下にすると激痛が走る」
「寝返りのたびに目が覚める」
「仰向けでも肩がズキズキする」

といった症状が出ることがあります。

このような場合は整形外科へ

次のいずれかに当てはまる場合

  • 夜間痛が強く、何度も目が覚める

  • 激痛でほとんど眠れない

  • 肩をほとんど動かせない

  • 痛みが非常に強い

  • 当院で5回程度施術しても変化が乏しい

↓

整形外科で一度検査を受けてください

四十肩・五十肩と似た症状には、石灰沈着性腱板炎や腱板損傷などがあります。

特に強い夜間痛が続く場合や、施術を続けても可動域・痛みに変化が見られない場合は、四十肩・五十肩と決めつけず、画像検査などで肩の状態を確認することをおすすめしています。

検査後、リハビリを継続できる状態であれば、医療機関での治療と並行しながら当院で可動域改善を進めることも可能です。

LEVEL3や夜間痛が強い方では、施術だけでは痛みのコントロールが難しい場合があります。

その場合は整形外科を受診していただき、状態によっては医師による注射などの治療と並行してリハビリを進めます。

すでにステロイド注射やヒアルロン酸注射などの治療を受けている方についても、医師の治療方針を確認しながら、当院では可動域を取り戻すためのリハビリ・施術を中心に進めます。


四十肩・五十肩専用の肩関節体操

肩関節が固まっている方には、現在の可動域に合わせた肩関節体操を行います。

内旋・外旋・挙上などを組み合わせながら、動かしにくくなっている方向を少しずつ広げていきます。

この体操では多少の痛みを感じることもあります。

特にLEVEL2〜3の方へ最初から強い運動を行うと負担が大きいため、初期はソフトな動きから開始し、可動域の変化に合わせて運動量を増やします。


目標は「つり革を自然につかめる肩」

四十肩・五十肩の回復を見るとき、当院でひとつの目標にしているのが、電車のつり革を自然につかめること。

つり革をつかむためには、腕を上げるだけではなく、肩関節を外側へ回す動きなども必要になります。

段階 目標
LEVEL 3 肩の高さ90°を目指す
LEVEL 2 頭より上まで腕を上げる
LEVEL 1 つり革を自然につかめる
回復期 日常生活で左右差を感じにくい状態へ

自宅リハビリで回復期間

四十肩・五十肩では、院内での施術と同じくらい自宅でのリハビリが重要です。

患者様一人ひとりの可動域に合わせて、最初は簡単な運動から開始します。

段階 自宅リハビリ
初期 痛みの少ない簡単な運動
可動域制限が強い時期 猫のポーズなどを利用した運動
可動域が改善してきた時期 肩関節体操
回復期 タオル体操など可動域を広げる運動

動く範囲が広がれば、自宅で行うリハビリの内容も変更します。

リハビリを続けられる方ほど回復が早い傾向があります

当院が示している施術期間は、指定した簡単な体操・リハビリを自宅でも継続することを前提とした目安です。

自宅でほとんど動かさない場合は、可動域を取り戻すまでに時間がかかり、目安より1か月以上長くなることもあります。


四十肩・五十肩はどのくらいで改善する?

LEVEL 可動域 施術期間の目安
LEVEL 1 150°以上 約1か月
LEVEL 2 90〜120°程度 約2〜3か月
LEVEL 3 90°未満 約3〜6か月

※自宅リハビリを継続した場合の目安です。
※症状・年齢・発症からの期間・可動域などによって個人差があります。

四十肩・五十肩は、ぎっくり腰や寝違えのような急性症状とは異なり、一定期間リハビリを続けながら可動域を取り戻していく必要があります。

そのため当院では、

「今どこまで上がるのか」
「内旋・外旋はどこまでできるのか」
「前回より何ができるようになったのか」

を確認します。

LEVEL3からLEVEL2へ。

LEVEL2からLEVEL1へ。

そして最終的には、洗濯物を干す・後ろへ腕を回す・つり革をつかむといった日常動作を自然に行える状態を目標に、施術とリハビリを進めていきます。

 

四十肩・五十肩治療の料金

四十肩・五十肩は、現在の可動域・痛みの強さ・夜間痛の有無を確認し、必要な施術を組み合わせます。

保険診療

  料金
初診 3,500円
2回目以降 1,000円

四十肩・五十肩で使用する追加施術

施術 料金 主な使用目安
超音波 5分 300円/10分 1,900円 LEVEL1〜3・痛みが集中する部分
ハイボルト 2,500円 痛みが強い部位・原因探索
メディセル筋膜 2,500円 肩・肩甲骨周囲の動き
ラジオ波 3,500円 LEVEL3・肩関節全体の強い硬さ
マイクロカレントクロス 1,500円 保険施術との併用

※症状に応じて必要な施術を選択します。すべての施術を毎回行うわけではありません。

LEVEL別の施術目安

LEVEL 主な施術
LEVEL 1 電気治療+手技+超音波+専用ストレッチ
LEVEL 2 LEVEL1+肩関節体操+自宅リハビリ指導
LEVEL 3 LEVEL2+ラジオ波など

1回あたりの会計目安

  会計目安
初回 6,000〜9,000円程度
2回目以降 4,000〜6,000円程度

症状やLEVELによって使用する治療機器が異なるため、料金も変わります。

初回に肩の可動域や痛みの出る動作を確認し、現在のLEVEL・施術期間の目安・必要な施術内容をご説明します。