からだのどこかが痛いのって嫌ですよね。

私は嫌いです。

どうして痛くなるんでしょう?そもそも痛みって必要なんでしょうか?

痛みとは

「実際に何らかの組織損傷が起こったとき、または組織損傷を起こす可能性があるとき、あるいはそのような損傷の際に表現される、不快な感覚や不快な情動体験」

と、国際疼痛学会は言ってます。

難しくて良くわかりませんよね。

訳すと「からだが損傷したり、しそうになった時に感じる嫌な感覚や感情(恐怖、悲しみ)」になります。さらに訳すと、「痛っ」て感覚と恐怖や悲しみの感情が合わさったものが痛みということのようです。

感覚だけじゃなく感情も含まれるんですね。「心が痛い」って言いますもんね。

 

痛みのメカニズム

画像参照:ももたろう痛みのクリニック

侵害受容性疼痛

からだのいたることころに痛みを感じるセンサーがあります。からだが傷ついて細胞がこわれたり炎症を起こすと、痛みのセンサーが起動します。

センサーが神経を介して脳に信号を送ります。信号を受けた脳は痛みとして認識します。ケガをした時の痛みがこれにあたります。

神経障害性疼痛

(しんけいしょうがいせいとうつう)何かの原因で神経が損傷を受けて障害が残ったことで出る痛みです。見た目は傷も無いのに○○神経痛と言われるものが代表的です。

電気が走るような痛みや、灼熱感のある痛みなど、普段の生活ではありえないような痛みをかんる事があります。

心因性疼痛

(しいんせいとうつう)前述の二つの痛みに当てはまらないものを以前は「心因性疼痛」と呼ばれていました。痛みは神経からの信号を脳が認知して痛みとして解釈します。

その解釈の仕方を間違っていて、本来痛みを感じないような刺激で痛みを感じていしまいます。

混合性疼痛

(こんごうせいとうつう)単独ではなく、複数のメカニズムが混ざったもの。

原因が良くわからない腰痛などがあてはまります。

 

痛みの種類

「急性の痛み」と「慢性の痛み」

痛みが続いた日数で分類した「急性の痛み」と「慢性の痛み」です。

「急性の痛み」

・1か月以内でおさまる痛み
・普通のケガなどで起こります
・1~3カ月の間、徐々に症状が進行してくのが「亜急性の痛み」です

「慢性の痛み」

・3~6ヶ月以上続く痛みです。
・「急性の痛み」をこじらせると慢性に移行します。
・治りにくいです。
・歳を重ねた方々は「慢性の痛み」に移行しやすくなります。

これは免疫が若い頃とは体が変わってしまって慢性炎症になりやすくなったり、ホルモンのバランスが崩れたためと言われています。また、慢性炎症が全身に広がると老化が進んだり、メタボリックシンドロームになりやすくなったり、アルツハイマー病、がんなどに関係していると研究されています。

整骨院では「慢性の痛み」に対して保険診療ができません。痛くなったら、こじらせて慢性にしないよう、直ぐに治療に来て下さいね

 

「体性痛」と「内臓痛」

痛みの部位で分類したのが「体性痛」と「内臓痛」になります。「体性痛」は体の外からの痛みで、「内臓痛」は文字通り、内臓から出る痛みです。

「体性痛」は傷がつくと痛みを感じます。

「内臓痛」はちょっと違います。内臓は傷がついたり、熱を加えても痛みを感じません。不思議ですよね。でも、お腹が痛くなることがありますよね。

「内臓痛」は、胃や腸が無理に膨らまされてつっぱった時や、けいれんを起こしてギューっと縮んだ時に生じます。内臓が引っ張られたときか、縮んだ時に「内臓痛」が出ます。

「のどもと過ぎれば熱さ忘れる」って言いますけど、医学的に合っているんです。胃や腸は熱さを感じないので。。。。

男性が大事な所を蹴られると我慢できないくらいの痛みを生じます。これは男性の大事な玉が内臓だからです。手や足、頭など軽くたたかれたくらいは我慢できても、玉を同じ強さでたたかれると「内臓痛」なので耐えがたい痛みを感じます。

狭心症の発作も「内臓痛」に該当します。ギューっとけいれんして痛くなります。

 

痛みと炎症

前述の「痛みのメカニズム」で述べましたが、からだが傷ついて細胞がこわれたり炎症が起きると痛みを感じます。傷ついた時に壊された細胞から発痛物質が放出されます。そのため、痛みのセンサーが刺激されて、脳で痛みを認識します。

傷ついてスグの炎症は急性炎症で、傷を治そうとする正しい反応です。

急性炎症をこじらせて、炎症を長引かせて慢性炎症に移行すると治りにくくなります。慢性炎症は、傷ついたところが治ったのにずっと続く弱い炎症で、なかなかやっかいです。

急性炎症と違って、明確なサインがありません。急性炎症は赤くなって、腫れて、痛くて、熱を持つというサインがあります。慢性炎症はサインがはっきりしません。じわじわと痛みが続いたり、特に原因も無く繰り返し痛くなります。

 

痛みと神経痛

お尻からもも裏、ふくらはぎにかけて痛みがでる坐骨神経痛が有名ですね。神経が圧迫されて痛みが出ると言われています。

神経には可塑性(かそせい)という性質があります。これは粘土の例えがわかりやすいです。粘土のかたまりを指で押すとへこみますよね。指を離してもへこみは残ったままです。元に戻りません。これを可塑性(かそせい)と言います。

この可塑性があるから脳は記憶できます。でもこれが神経痛にとってやっかいです。神経に可塑性があるので、痛みを記憶してしまい、神経の圧迫をとっても痛みやしびれが残ることがあります。神経痛を長く患っていると、痛みを覚えてしまいます。

 

痛みは何のためにある?

痛みは辛いですよね。出来れば感じたくないですよね。

でも、痛みには意味があります。それは命の危険を回避するためです。痛みがあるから、からだのどこがケガをしたのかわかるし、どの臓器が不調なのかわかります。

痛みを感じなかったら、ケガをしても処置せず、化膿して腐っても気がつかない、骨折してもわからないなんてこともありえます。知らない間にドンドン体の状態が悪くなってしまうでしょう。

だから、痛みは大切です。嫌がらないでくださいね。

 

まとめ

  • 痛みを我慢してると治りにくくなる
  • 整骨院は「慢性の痛み」に保険が使えない
  • 痛かったら早く治療しましょう!
  • 高齢のかたは慢性炎症を起こしやすい
  • 慢性炎症は万病の元