腰痛は、腰の筋肉だけに起こるものではありません。
筋肉や関節にかかる負担、椎間板や神経の状態、年齢による変化、日々のお仕事や運動習慣まで、いろいろな要因が絡み合って起こります。
「ぎっくり腰」「坐骨神経痛」「腰椎椎間板ヘルニア」も、実は同じものではなく、それぞれ違う状態を指す言葉です。
このページでは、腰痛にはどんな種類があるのか、原因や症状の違い、そして「これは整形外科で診てもらったほうがいい」というサインについて、できるだけわかりやすくお伝えします。
腰痛の種類
一口に「腰痛」といっても、腰まわりの筋肉や関節の負担によるもの、神経が関係しているもの、病気やケガが隠れているものなど、原因はさまざまです。
| 種類 | 特徴 | 代表的なもの |
|---|---|---|
| 筋肉・関節によるもの | 動作や姿勢によって痛みが出る | 急性腰痛、筋肉への負担など |
| 神経によるもの | 腰だけでなく、お尻や脚に痛み・しびれが出ることも | 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など |
| ケガ・病気によるもの | 骨折や感染症、内臓の病気が原因のことも | 圧迫骨折、泌尿器・消化器の疾患など |
ご自身で「これが原因だろう」と判断するのは、実はとても難しいものです。いつ、どんな時に痛みが出たか、しびれはあるかなど、丁寧に状況を確認することが何より大切だと考えています。
急性腰痛
急性腰痛は、ある日突然、あるいは短期間のうちに痛みが出てくるタイプの腰痛です。
重い荷物を持ち上げた瞬間はもちろんですが、
- 朝、ベッドから起き上がろうとした時
- 身体をひねった時
- 前かがみになった時
- 床の物を拾おうとした時
- 仕事中、ずっと同じ姿勢でいた後
など、思いがけないタイミングで痛みが出ることも少なくありません。
痛みの程度も人それぞれで、「なんとなく違和感がある」くらいの方もいれば、「立ち上がるのもつらい」というほど強い痛みを訴える方もいらっしゃいます。
ぎっくり腰について
「ぎっくり腰」というのは病名ではなく、急に起こった強い腰痛を指す、いわば通称です。
実際には、腰の関節や椎間板、筋肉、腱、靱帯など、複数の組織が関わっていることが多いとされています。
重い物を持った時だけでなく、朝起きた時や身体をひねった時など、特別なことをしていないのに起こることもあります。
たとえばこんな痛み方をされる方が多いです。
- 前かがみになると痛む
- 身体を起こそうとすると痛む
- 寝返りがつらい
- 椅子から立ち上がる時に痛む
- 靴下やズボンを履くのがつらい
- 歩幅が小さくなってしまう
動作によって痛みの出方が変わるのが特徴です。
ただし、脚に強いしびれや力の入りにくさを伴う場合は、単なる急性腰痛とは違う状態が隠れていることもありますので、注意して確認する必要があります。
慢性腰痛
長く続く腰痛には、急性腰痛とはまた違った視点が必要になります。
実際に慢性腰痛の患者さんを診ていると、お仕事の環境や運動量、身体の柔軟性、お腹まわり・体幹の筋力など、いろいろな要因が絡んでいるケースをよく目にします。
たとえば、
- 一日中座ってお仕事をしている
- 立ち仕事の時間が長い
- 運動する機会がほとんどない
- 身体を動かす習慣があまりない
- 腰や股関節まわりが硬くなっている
- 同じ姿勢を長時間続けている
といった生活が続くと、腰の一部分にだけ負担が集中しやすくなってしまいます。
慢性腰痛では、次のようなことを一つひとつ確認しながら診させていただきます。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 既往歴 | 腰やお腹の病気・手術歴など |
| お仕事 | 座り仕事か立ち仕事か、重い物を扱う頻度など |
| 運動 | 運動の頻度や普段の活動量 |
| 柔軟性 | 腰・股関節・脚などの動きやすさ |
| 体幹の力 | 身体を支える筋肉がしっかり使えているか |
慢性腰痛は、腰だけを繰り返し施術するのではなく、日々の生活環境や身体の使い方まで含めて一緒に考えていくことが大切だと考えています。
坐骨神経痛
坐骨神経痛も、実は病名ではありません。腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足にかけて出る痛みやしびれを表す言葉です。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などによって神経が刺激されることで、このような症状が現れることがあります。
- 腰からお尻にかけて痛む
- お尻から太もも裏側が痛む
- ふくらはぎや足までしびれる
- 片方の脚だけに症状が出る
- 長く座っていると脚がつらくなる
このような症状がある方は多くいらっしゃいます。
「坐骨神経痛=腰が悪い」と一律に考えるのではなく、痛みやしびれがどこから来ているのかを、きちんと確認することが必要です。
腰椎椎間板ヘルニア
腰の骨と骨の間には、クッションの役割をする椎間板というものがあります。
腰椎椎間板ヘルニアは、この椎間板の一部が飛び出してしまい、神経を刺激することで腰やお尻、脚の痛み・しびれを引き起こすことがある状態です。
- 腰の痛み
- お尻の痛み
- 脚の痛み・しびれ
- 前かがみになると症状が強くなる
- 脚に力が入りにくい
こうした症状が見られますが、程度には個人差があります。
特に脚の力が入りにくいといった神経症状がある場合は、整形外科で画像検査などを受け、状態を確認していただくことをおすすめします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、腰の神経が通る空間(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることで脚の痛みやしびれが出てくる疾患です。
中高年の方に多く見られ、腰そのものの痛みよりも、脚の症状のほうが強く出ることも少なくありません。
間欠性跛行
代表的な症状に「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があります。
歩いていると脚が痛くなったり、しびれてきたりして歩き続けるのが難しくなるものの、少し休むとまた歩けるようになる、という状態です。
「歩くと脚がつらくなる」「休むとまた歩ける」を繰り返している場合は、一度整形外科で状態を確認していただくことをおすすめします。
腰椎分離症
腰椎分離症は、特に成長期のスポーツをされているお子さんに注意していただきたい腰痛の一つです。
ジャンプや、腰を反らす・ひねる動作を繰り返すスポーツなどで、腰椎の一部に負担がかかり続けることで起こることがあります。
腰を反らした時に痛みが強くなるのが特徴です。
成長期のお子さんで腰痛が長引いている場合、「筋肉が硬いだけだろう」と自己判断せず、一度整形外科で画像検査を受けていただくことも大切です。
内臓疾患が原因の腰痛
腰が痛いからといって、必ずしも腰そのものに原因があるとは限りません。
泌尿器や消化器、婦人科、血管の病気が腰痛として現れることもあります。
| 分類 | 関係することがある病気の例 |
|---|---|
| 泌尿器 | 尿路結石など |
| 消化器 | 胆嚢・消化管の疾患など |
| 婦人科 | 子宮内膜症、子宮筋腫など |
| 血管 | 大動脈などの血管疾患 |
腰を動かしていないのに強い痛みがある場合や、腰痛以外にも体調の変化を感じる場合は、注意が必要です。
整形外科優先の症状
以下のような症状がある場合は、整骨院での施術よりも先に、医療機関での検査・診察を受けていただくことをおすすめします。
- じっとしていても強い痛みが続く
- 時間とともに痛みが悪化している
- 発熱がある
- 脚に強いしびれがある
- 脚に力が入りにくい
- 歩き方に明らかな異常がある
- 排尿・排便に異常がある
- 転倒や事故のあとに強い腰痛が出た
腰痛には、整骨院で対応できるものと、画像検査や血液検査を先に受けていただいたほうがよいものがあります。
その見極めも、私たちが大切にしていることの一つです。
腰痛と運動について
長く続く腰痛では、「安静にする」ことだけが正解ではありません。
身体を動かす機会が減ると、腰を支える筋力や柔軟性が落ちてしまい、それがさらに動くことを億劫にさせる、という悪循環に陥ってしまうことがあります。
ウォーキングやお腹・体幹の運動、股関節まわりの柔軟性を保つ運動などを、お一人おひとりの身体の状態に合わせて取り入れていきます。
ただし、急性期の強い痛みがある時や、運動によって脚の痛み・しびれが強くなる場合は、自己判断で無理に続けることは避けてください。
腰痛を繰り返さないために
腰痛を繰り返している場合、痛みがなくなった時点がゴールではないと考えています。
お仕事中の姿勢や運動量、股関節の柔軟性、体幹の筋力など、なぜ腰に負担が集中してしまうのかを、一緒に確認していきます。
特にデスクワークや長時間の立ち仕事をされている方は、「同じ姿勢を続けない」ということも意識していただきたいポイントです。
和ごころ整骨院では、今の腰痛への施術と、その後の身体の使い方を切り離さずに考えています。
和ごころ整骨院の腰痛施術
実際の施術内容や、急性腰痛のLEVEL分類、回復までの期間、通院回数、料金については、腰痛施術ページにまとめておりますので、あわせてご覧ください。




