スポーツ選手なら一度は体験したことがあるアイシング処置。足首の捻挫等で応急処置をしますね。アイシング【冷やす】というのは、クールダウン・リハビリの補助等にも活用され、その後の治癒期間を大幅に短縮するものです。

スポーツのあらゆる場面でアイシングが使われますが、正しい使い方はご存知ですか?

間違った方法だと、逆効果になったり効果が半減したり。ポイントは、部位や状況によって時間や方法を調整する事

冷やし方にも種類があり、患部に適切なアイシングを

しっかりと患部を冷やせばそれほど腫れなかったり、痛みが和らぎますので是非ご利用下さい。正しいアイシング方法をご紹介致します。

【氷で作るアイスパック】

ビニール袋・ゴム製のアイスパック(氷嚢でもOK)等に氷を入れたもの。
アイスパックを部位にしっかり密着させたいので、袋の中の空気は抜きます
身近にあるのは冷蔵庫の氷5~10個程度。

冷蔵庫の氷はー15℃からー20℃で保存されているので、使う時は凍傷に注意。濡れたタオルでアイスパックを覆うと、丁度良い温度でアイシングできます。

【氷水(アイスバケツ)】

バケツに氷水を張り患部を急激に冷やす方法。
足首の捻挫にはこれが一番。手軽に行えるので、痛みが強い時や、アイスパック作りに手間がかかる場合は適用してみてください。

手指の突き指の場合は、コップに5個氷を入れて水に浸した中に指を突っ込む感じでOK!

【コールドパック・保冷材】

お弁当のケースに入れるような、ゲル状で作られたアイスパック。

 

これを患部に当てます。
冷蔵庫の氷と同様温度が低すぎる為、患部に直接当てると凍傷の恐れがありますので、濡れたタオルを巻いてから使用してみましょう。

和ごころ整骨院では、写真の様なアイスパックとタオルを使用します。上記共に15分を目安をしています。

RICEの法則

打撲や捻挫等急性な怪我をしてしまい、痛みもジンジンとある場合どのような対処をしたら良いのか?アイシングも中に含まれている【RICEの法則】で対処しましょう。医療現場では勿論、スポーツ現場でも多く行われる処置方法です。
4つの応急処置方法があり、R・I・C・Eは処置の頭文字を取った文字。

【R】EST⇒安静

内出血を起こしている場合、患部を動かすと出血量が増加するのでとにかく安静。ギプス固定や包帯固定をしている患部は動かしちゃダメです。

ですが、固定をしていない場所は3日後から積極的に動かします。
例えば足首の骨折で固定している→足指は積極的に動かす。これをしないと末端の毛細血管の流れが悪くなり腫れが引きずらいんですね。

急性の場合は兎に角安静→日数経過と共にリハビリを行いましょう。

【I】CING⇒アイシング(冷却)

患部を放置しておくと炎症が広がりやすいので、氷水を患部に当て炎症を止めます。患部への血流が制限され酸素の活性が少なくなる為、腫れを抑制でき熱を放射できる。

目安としては患部15分が基本です。
骨折が疑わしい場合は20分以上かけますが、30分以上の長時間アイシングは白血球や血小板を死滅させてしまうので厳禁です。

バンテージなどで巻きますが、必ずタオルかハンカチを下地にしてください。

【C】OMPRESSION⇒圧迫

内出血と腫れを最小限に抑える為の手段
負傷して2・3日は伸縮性のある包帯で圧迫すると良いでしょう。包帯がなければタオルを巻いても構いません。

【E】LAVATION⇒挙上

患部をアイシングする時・就寝時はなるべく心臓の位置より高めにする。
重力により出血量減少に期待ができます。
足をずっと上げたままは辛いので、椅子や台の上に乗せて安静にしましょう。

RICE処置は患部の内出血・腫れを少しでも抑制させる為の方法です。
受傷して速やかに遂行できるかがポイントとなり、治癒・回復スピードに大きく差が出ます。

RICEのその後~自宅でできるケア方法

受傷してから3日間はアイシング・RICEを徹底的に朝・昼・夜行ないましょう。

お仕事や学校などの用事がある方は、帰宅直後と風呂上りに②回行ってください。

受傷後4日目から、患部を触って熱感が無ければアイシングを辞めて、ガンガン他の箇所を動かして血液を末端まで巡らせて下さい!医師・整骨院先生に動かすの禁忌と言われてなければ、多少痛みがありますが固定をしてれば大丈夫です。アイシングで便利な固定はこちら↓

落ち着いたら、お近くの整骨院でリハビリ・治療を行いましょう。

RICE処置のまとめ

RICE(ライス)処置とは、応急処置の基本であるRest(安静) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上)の頭文字をとったものです。

捻挫や、打撲など、スポーツ現場でよく見受けられるケガに対して迅速に対応できる方法であるため覚えておく必要があります。処置が早いほど、ケガの回復も早まりますので手際よく行いましょう。

Rest(安静)

まずは怪我をしたら安静にするのが原則。
動いたり、体重をかけたり、または無理に試合に出続けたりすると、怪我が悪化してしまい治るのに非常に時間がかかる場合があります。
怪我をしたら、場所を確保してもらい一番痛みのでない姿勢で安静にしてもらいます。(この後、患部の挙上を行うので「仰向け」で寝てもらうのが望ましい)

安静にしていれば治るわけではなく、「とりあえず休ませる」という意味での行為なので、「腫れが引くまで」とか「痛みが無くなるまで」放置しないでください。ここでもう一つ注意して欲しいのは、夏場の熱中症です。

選手が足首を痛そうに引きずって来ると、どうしても周りもそこに目が行きます。しかし、真夏の中プレイしていて本人も水分補給を怠っていたかもしれません。すると、患部の処置に一生懸命になりすぎて、本人が熱中症になりかかっていた、なんて事もあるわけです。
必ず快適な場所で、休ませるようにしてください。

ICE(冷却)

患部を氷で冷やし、痛みを緩和。更に、内出血や炎症を抑える事ができます。
その場に氷嚢が無い時は、ビニール袋に氷を入れて空気を抜くと立派な氷嚢となります。患部に氷をあてると始めはビリビリとした感覚になりますが、やがて感覚が無くなってきます。

ここまで約15分から20分。

そうしたら一度氷を外し、再び痛みが出てきたら同じ様に冷やします。この時に注意して欲しいのが「凍傷」です。患部に直接氷を当て続けると、周辺組織が凍結を起こし始め、細胞の破壊が始まります。予防としては、アンダーラップを巻いたり、氷をタオルに巻いてから患部にあてると凍傷のリスクは軽減します。

Compression(圧迫)

圧迫により患部の出血をコントロールします。
そうすることで、腫脹を抑えることができ、痛みの緩和に繋がります。テーピングや弾性包帯で巻くのが一般的。

注意点としては、強く巻きすぎないことがあげられます。つい、処置する人も力が入ってしまい、ガチガチに固めてしまうことがありますが、血流障害を起こし、回復が遅くなります。なので、指先や爪の色や皮膚感覚を確認しましょう。

Elevation(挙上)

挙上により、内出血を防ぎ、痛みを緩和させます。
この時、心臓より高い位置に持ち上げることで、血流に乗りやすくなり痛みを起こしている物質を排除しやすくすることが出来ます。
足首の損傷に関しては、寝ている時も挙げたまま寝ると良い。

異常がRICE処置の手順となります。

最近はこれにProtect(保護)・Support(固定)が追加されてPRICES処置とすることもあるそうです。

Protect(保護)

安全な場所に移動する時に、患部に負担がかからないように保護すること。

Support(固定)

患部を固定し安定させることで、筋肉の回復をサポートする効果があります。

追加も紹介しましたが基本は「RICE処置」で大丈夫です。スムーズに行えるようにしましょう。

アイシング方法について分からないことや、疑問に思ったことがあればお気軽にメッセ―ジ・お電話ご相談下さい。