腰椎は前方に椎体(ついたい)があり、後方には椎弓(ついきゅう)があり椎間関節(ついかんかんせつ)と呼びます。
この椎体と椎弓の間に椎弓根(ついきゅうこん)があり、この椎体と椎弓が離れた状態を腰椎分離症といいます。
スポーツなどで、腰椎後方部分の疲労骨折が起こり、くっつかないまま骨が割れた(分離した)状態を「腰椎分離症」と言います。
体質的な要素もありますが、特に多く見られるスポーツとして
野球・サッカー・ゴルフ・ウエイトリフティング・体操などで見られます。特に体操、ウエイトリフティングがなりやすいんですね。
分離症のメカニズム
①損傷が発生するのは第五腰椎(L-5)
②腰椎後部にある関節突起間部に骨折が起こります。上下の椎骨と関節を形成する突起の間の部分です。
③力学的なモデルを用いた実験研究で、腰椎に反りや捻りを加えると、関節突起間部に負荷が集中することが明らかになっています。
④先天性のもの(生まれつき)もあります。椎体や椎弓の形状異常を認めるものが多く、高度なすべり症を生ずることがあり注意を要します。
※変性すべり症は女性に多く、第4腰椎に多いようです。
前屈で手がつきますか?
分離症って聞いたことありますか?
この疾患は成長期に活発にスポーツをすることで起こる「疲労骨折」です。
10代前半のお子さんで、急に腰が痛くなったって言った事ありませんか?それか、普通の運動はできるけど、背中をそらすと痛むとか。
「前かがみになって、手がつかない」
「歩いている時や基本姿勢の時は大丈夫だが、背中を反らすと痛む」
2つともある場合は腰椎分離症を疑ってください。
分離症はどこの腰椎にも起こるものではなく、基本的には下部の腰椎(L5)に起こりやすいと言われます。
まずは整形外科でレントゲンを。分離症はいわば骨折ですから、ちゃんと診てもらいましょう。
骨盤の歪みは大丈夫?
分離症に一番なりやすいのは、身体が最も柔軟な中学生くらいの子に起こりやすいと言われています。
成長期でまだ骨格が完全に出来上がっていないので、部活の中で身体に負担をかけ続けると腰が悲鳴を上げる訳ですね。
①ジャンプ
②腰を捻る
③腰を回す 等
負担が掛かった腰椎は、疲労骨折のように腰椎が分離してしまう(椎体と椎弓が離れ離れになる)のです。誰
しもが中学生や若いうちに激しいスポーツをすると分離症になってしうという訳ではなく、元々の体質も関係ありす。
分離症の人は全人口の約5%
「ただの腰痛」だと思っていた、実は分離症になっている方がいます。それほどはっきりとした症状ではなく、普通の腰痛だと判断してしまうのですね。
プロのスポーツ選手ですと、20~30%の人が、腰椎分離症になっています。それだけ激しく身体を動かしているので、なりやすいんです。
原因は「ゆがみ」
腰椎分離症はスポーツなどで繰り返し腰に負担がかかることで起きるものですが、実は腰に原因はない事もあります。
そのため、骨がくっついたとしても痛み・しびれが残る場合があるのです。
腰椎分離症の本当の原因は「ゆがみ」カラダがゆがんだ結果、腰に負担がかるのです。その状態で激しいスポーツを行えば、さらに腰には負担がかかり疲労骨折を起こします。
直立した時に前後左右に身体が偏ってたりします。外見からでも歪みはわかります。
猫背もそうですね。
「ゆがみ」を解消すれば分離症でも症状は出にくいカラダになり、再びスポーツができるようになります。
身体のゆがみについてはこちら→
基本的には、腰や足に疲労が溜まっている方が多いです。柔軟ぜす、硬いままの状態で、筋肉に負荷が掛かることが一番よくありません。
昔に骨折した形跡がある?
腰椎分離症には
①腰に感じるズーンと重くにぶい痛み
②前かがみの姿勢になった時にピキーンと痛む、前かがみになれない
③しゃがんだときにズキーンと痛みを感じる、しゃがむ事ができない 等
病院でこんな事言われた事ありませんか?
「コルセットで固定して、安静にしていれば良くなるよ」
「だいぶ前に骨折しているから、もう治らないと思います」
結構平気で治らないとか言う先生がいらっしゃいますが、骨折が治れば腰の痛みはなくなって、骨折が治らなければ腰の痛みは治らないと思ってしまいますよね。
骨折は治っていなくても痛み・しびれを感じない人もいます。ですので「腰の骨が疲労骨折してるから」「もう骨はくっつかないから」腰の痛み・しびれは治らないんだと思わないでください。
腰椎がすべる原因とは?
腰椎分離症の人の10~20%が「すべり症」になってしまいます。
すべり症とは、名前の通り、骨が滑ってズレてしまう事です。背骨は一つ一つ骨が積み重なってできています。靭帯や骨どうしが関節することでバラバラにならず、上下の骨とくっついています。
椎骨→椎間板(骨と骨の間にあるクッション的なもの)→椎骨といった感じで積み重なっている。
ですが、分離症でパカッと離れ離れになれば、関節がゆるみ、支えきれなくなり前方(後方)にすべってしまうのです。脊髄馬尾神経ってのがあるのですが、これに骨がすべったりして圧迫すると、足の痛みや痺れが起きやすくなります。
すべり症が悪化すると神経症状が強くなり、排尿排便障害も起き、最悪の場合手術をする可能性もでてきます。そうなってしまう前にしっかりと分離症を改善していきましょう。
コルセットは有効なのか?
分離症のような症状がでて病院で検査をすると「コルセットをつけなさい」と先生に言われると思います。ですが、コルセットをつけても効果的なのは、分離症になってすぐの時です。
コルセットをすれば腰が痛くなくて気分が良いと思う方は、是非つけてください。後は日常的にストレッチを多くするとか、身体を休める事をしっかりするとか、努力が大事です。
「痛みが少しあるけど、練習はできないこともないから、、やっちゃえっつ!」
「腹筋や背筋の筋肉が弱いから痛くなるんだ!筋トレしまくろっ!」
無理をして行ってしまうと、返って腰に大きな負担となり、回復を妨げている場合があります。受傷した本人も
「練習休むとレギュラーになれないから休むのは無理!」
「痛みを耐えれば練習できるから練習しちゃえっ!」
と考えて、無理をする選手も多いのですが、腰の痛みをなめると後で痛い目にあいます。痛みを我慢して行うのはやめましょう。
まず本人にやって欲しい事
①部活は無理をしないで、長期間休むのを覚悟する。そして安静に休むこと
②極力激しい運動は禁止。スポーツ活動もダメです
③硬性コルセットを着用して骨折部分を治すことに努める
すべり症を治すにはストレッチ+体幹筋
通常の骨折に対する治療と同様の対応をします。
約2~3ヶ月間、部活動のみならず体育も含め全ての運動を禁止した方が賢明だと思います。
運動を禁止している間は、腰椎を安定させるための体操が大切です。腰部・骨盤の筋を伸ばすストレッチと強化の二つからなります。
運動を止めると役1ヶ月程でほとんどの腰痛は消失すると思います。2~3ヶ月経ったら、整形外科に行ってもう一度CTやMRIで骨折の具合を確かめて下さい。上手く骨がくっついていたら徐々に運動していきましょう。
治ったからと言って油断は禁物です。分離が存在することで、腰椎が不安定となり腰痛が再発することがあります。しばらくの間、軟性コルセットを着用しさらに体操を継続することが大切です。
腰椎分離を予防するため、とくに小学生のスポーツでは、腰に負荷が集中する練習は避け、全身をバランスよく使うような工夫が必要です。
分離症やすべり症にならないように、普段の体づくりは大切なんです。体幹トレーニングや筋トレ、ストレッチは怪我をしてなくても、怪我をしない為の方法として、毎日行った方が良いと思います。
怪我をしないように、日頃から自分の体を考えて行動していきましょう!
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