テニス肘・ゴルフ肘・野球肘の違いは分かりますか?
○○肘と言うだけあって、各スポーツで起こりやすい怪我・炎症のことを指します。
テニス=肘の外側の痛み
ゴルフ・野球=肘の内側の痛み
整骨院では学生に多く見られ、特に試合直前の追い込み練習で痛みが悪化・重度化するケースが目立ちます。テニスのラケットの重さ×遠心力で肘に負担が続く訳です。
バックハンド・フォアハンドでなりやすいテニス肘とは?
上腕骨外・内側上顆炎といいます。(テニスプレーヤーの7割が外側を占める)
前腕伸筋・屈筋腱付着部の炎症で、テニス・バトミントン・ラクロス等ラケットを持つスポーツに多い症状。テニス肘には2種類あり
肘の外側が痛む【上腕骨外上顆炎(バックハンドテニス肘)】
肘の内側が痛む【上腕骨内上顆炎(フォアハンドテニス肘)】
中高生が試合の前の追い込み練習があだとなり痛みに悩む学生が多い。何度も繰り返されるバックハンドをする時に起こりやすいですね。また速く重い球を打ち返す際の衝撃が蓄積され起こる場合も。
肘の見た目も『なんだか腫れてきたかな~?』と違和感が解る物と『硬いのがポッコリ出てきた??あれ?押すと痛くねー?』と圧痛が現れるケースがあります。しっかりと治療を続けることが早期回復に繋がります。
外側上顆炎を【テニス肘】と呼ぶのは、中年以降のテニス愛好家に多く生じるからです。金沢区では金沢八景インドアテニス、金沢文庫エフ・テニススクール、杉田テニスが有名です。
肘の付け根が痛い!どんな状態でテニス肘だと判断すれば良い?
①テニスラケット・荷物等を持ち上げる動作
②濡れたタオルを思いっきり絞る動作・ドアノブを回す動作等
痛みが出る場所は肘の外側から前腕に掛けて。
特徴として、安静時には痛みは無く、何か動作をした際に肘が『ピキッ』と痛む。
手首をこーするとテニス肘?簡単に調べる方法
外来で簡単に行える疼痛を誘発する試験で診断します。以下の3つの検査が一般に用いられ、
いずれの検査でも肘外側から前腕にかけての痛みが誘発されたら、テニス肘と診断します。
1. Thomsenテスト
検者は手首(手関節)を曲げるようにして、患者さんには肘を伸ばしたまま検者の力に抵抗して手首(手関節)を伸ばしてもらう。裏拳の様に抵抗してもらいます。
2. Chairテスト
患者さんに肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げてもらう。椅子で無くても3㎏の重さがあれば可。
椅子やダンベル3㎏程度で違和感☞軽度
ペットボトル1㎏・学校のいつも背負っている鞄で痛み☞重度
3. 中指伸展テスト
検者が中指を上から押さえるのに抵抗して、患者さんに肘を伸ばしたまま中指を伸ばしてもらう。
凸ピンの両様です。炎症が強いとデコピンの形にするだけで痛みます。
テニス肘は手首や腕の使いすぎによって引き起こり、主に伸筋群の使い過ぎが原因です。伸筋群とは自分の肘に力をギュッと入れた時にわずかに動く目で見て解る筋肉です。鍛えている人の腕はハッキリ見えますね!
またテニス時だけでなく日常動作が原因になる事もあり、重い鞄(教科書ビッチリ)+練習道具で10㎏オーバーしていると危険です。今すぐ教科書は捨てて下さい!
1、ラケットを、ぶん回していないか??
テニスプレー中の動作に気をつけてみる。力任せにラケットをブンブン振ってしまうと、手の関節・周辺の筋肉に負荷がかかり疲労が貯まります。
「ラケットが自分の手にしっくりこなくて….」
「監督からいつもフォームが悪いと言われる」
ラケットが合わない・フォームが悪い等も肘に負担がかかる原因。
コーチや指導者にフォームチェックしてもらいましょう。
【痛める=どこかがブレてる】腰から下の足のさばき方が弱い人に多く見られます。上半身ばかり使うと必ず反動がきます。よく全身を使って!なんてありますがその通り。
成長期まっしぐらの学生は、腕だけで動かそうとします。
ですがまだ広背筋や臀部の筋肉が未発達の子達は【踏ん張る】動作が弱いんですね。
テニス肘の原因で99%を占めるのが【間違ったフォームにある】と言われます。全体の8割~9割がバックハンド型である。
肘の外側(手を伸ばして手のひらを上にしたときの親指側)が痛む。圧迫痛と運動痛があり、指をそらせると痛むときは相当悪くなっている証拠です。
ボールを打つ瞬間に手首を内側(手のひら側)に返して、その反動でバックハンドを打つと、肘の外側の前腕伸筋群が強い伸びと収縮を受けて腱にストレスがかかります。その繰り返しで腱に微細な断裂が起き、上腕骨外側上顆部の炎症、筋肉と腱部分の疲労性障害がみられる。
日常生活では、物を持ち上げる動作、物をつかむ動作、手を振る動作、皿洗い、ドアを開けるとき等に疼痛が増強します。テニス中ではバックハンドストロークでボールを打った瞬間に疼痛が生じる。
熟練者よりも初心者のほうがなりやすく、ボールを打つときに手関節が屈曲している、手関節の伸展筋群の筋力と柔軟性が劣ることがその理由とされています。
~フォアハンド型テニス肘~
肘の内側手を伸ばして手のひらを上にしたときの小指側が痛みます。指を曲げると痛むときは相当悪化しています。サーブまたはフォアハンドのトップスピンを打ったときの痛みや握力低下が生じ、ゴルフやボーリングで手関節をひねる動作で痛みが出現する。
手首を後ろに反らして、その反動でラケットヘッドを前に動かすようにボールを打っていると、前腕屈筋群の付け根の腱がダメージを受けるます。手首をぐらぐらさせるフォームが原因ですね。
上腕骨内側上顆部の炎症と言われ、ゴルフ肘も同じ機序で生じます。上級者でしばしば見られて、サーブまたはフォアハンドのトップスピンを打ったときの手関節のスナップ時に生じる。
~サーブ型テニス肘~
肘の後側に痛みが生じるのがサーブ型テニス肘。テニスのサーブは、野球の投球動作と似ており、サーブ肘は野球肘と似ています。尺骨の先端は、ひじを伸ばしたときに上腕骨とぶつかることで肘が必要以上に曲がらないようにブロックしていますが、サーブのインパクトまたはフォロースルーの段階で肘が伸びきると、ふたつの骨が急激に衝突して炎症を起こす事があります。
インパクトのときに腕が一直線になるフォームは必ず肘を痛める。また、スピンサーブ、ツイストサーブは肘の内側に大きなストレスをかるので注意しましょう。
2、デスクワークが多い方も要注意。パソコン操作も原因の一つ
キーボード・マウスのパソコン操作を良くする方もテニス肘になります。見た目負担が掛かるのは、首・肩・目・腰くらいかな?と思われがちですが、長時間打ち続ければ腕にも負担が乗っかります。日常的にパソコン操作をする方は特に注意が必要。
目安1時間操作をしたら、背伸びしたり手をブラブラさせたり、溜まっているストレスを少しでも解消させましょう。パソコン操作をする姿勢を下記で説明しているのでご覧ください。
3、家事による腕の酷使がテニス肘を招く!?
掃除・料理・洗濯等の家事で腕を酷使するお母さんにもテニス肘になる危険が。家事・フライパンを振る等の動作は以外にもかなりの負担が手首・腕にかかっています。
家事が原因のテニス肘は中年の女性に多く見られる。
テニス肘をどう治すか?
痛みを和らげる為の方法をご紹介していきます。
とにかく安静にして動かさない
テニス肘を早期に治すには、安静にして動かさない事。サポーター・テーピング等をして負担を軽減させるのも効果的。痛みが出てから2週間~3週間は痛みの出る動作は避けましょう。
だいたいは使いすぎによるものなので、何より痛む腕は使わないこと!酷使した所を休めることは立派な治療です。
ストレッチを欠かさない
柔軟性を獲得する為にストレッチをしましょう。
詳しくはこちら⇒テニス肘セルフケア
装具療法
「仕事でどうしても腕を使わなければならない」
「テニス以外は腕を使わないとしても、テニスする時に少しでも負担を減らす方法はないの?」
という方には腕への負担を減らすサポーター【エルボーバンド】を装着してみましょう。
※肘の痛みが無くなるという訳ではありません。気休め程度にしかならないので、しっかりとした治療をしていきます。
痛みがある患部にアイシング
炎症による熱を冷やして取り除くとかなり楽になります。
痛みがある・動かすと痛いという所に、ピンポイントで氷嚢等を当ててください。練習後は必ずやるべきです。
薬物療法
整形外科に行けば、痛み止め薬・注射・湿布等が処方されます。ステロイド注射・局所麻酔で痛みを和らげる事ができますが、打ちすぎると副作用がでてくる場合があるので程々に。
薬物療法も時には効果的ですが、一番はセルフケアです。
理学療法
電気治療・鍼治療・レーザー治療・超音波等がある。受けることで楽になりますが、また少し経つと重くなったり、痛みが出ることがあります。この治療はコツコツと日を重なて行っていくものです。一気に良くなる訳ではありません。
まずはフォームの改善を試みる
テニス肘を良く起こす方は、必ずフォームに問題があります。
フォームを直さない限りは再発しますので、肘に負担をかけないフォームを目指しましょう。
【バックハンドテニス肘】
【フォアハンドテニス肘】
【サーブ型テニス肘】
の3つで気をつける事をご説明いたします。
①バックハンド型テニス肘が多い場合
手首とラケットを角度を固定し、インパクトまで振ります。インパクトの瞬間は手関節を真っ直ぐにしてください。インパクト後は手首を楽にしてリラックスさせます。両手打ちバックハンドに変更することも良いですよ。
②フォアハンド型テニス肘が多い場合
肘を過伸展させた状態でインパクトするのではなく、肘を曲げた状態でしましょう。フォアハンド・サーブ・オーバーヘッド時の手関節の動きを制限。極端なウエスタングリップをやめて、セミウエスタングリップとします。
③サーブ型テニス肘が多い場合
インパクト時にある程度の肘の曲げ、腕が一直線にならないようにします。上半身の力を抜いてサーブしましょう。
テニス肘の多くは【フォームのブレ】です。
フォームを改善しないことには、治療・防止に繋がりません。コーチ陣に自分のフォームを確認してもらうのもいいかもしれませんよっ。
ラケットの握り方にも問題がある?
テニス肘と言われるだけあって、テニス・バトミントン等のラケットを使ったスポーツに多い訳ですが、ラケットの握り方にもポイントがあります。ラケットやスポーツに関係なく、日常生活で何かを握る時にも注意。(雑巾絞り・包丁・スロープを握る等)
握り方のポイント☝
α 小指側でしっかり握る
β 親指・人差し指等は必要以上に握り込まない
できるだけ軽く握る意識をしてみましょう。
そんなに強く握る必要ないのに力み過ぎるとそれだけ腕に疲労が貯まります。ゴルフ・剣道のスポーツでも言えることです。ショットを打つとき、面打ちをする時は力むかもしれませんが、それ以外はなるべく力み過ぎないようにしてください。
小指側でしっかり握る込むメリット
親指側の筋肉に【短橈側手根伸筋】があります。
この筋肉がテニス肘と大きく関わりを持つ。
腕に少し力を入れるとポコッと浮き出てくるのがそうです。
短橈側手根伸筋にできるだけ負担をかけないようにするのが、小指側で握り込むメリット。
親指側を強く握る込むと、力みで手首・肘・肩周りがガチガチになり、上手く身体のねじりを使って打てません。結果、手だけの力で打つ「手打ち」になって、手への負担が大きくなります。
練習には欠かせないテニスサポーター
プロ選手も愛用しているサポーターは効果補償済みです。
痛みの原因橈側手根伸筋を圧迫させ、炎症を抑えます。
テニスプレーヤーは見たことがあると思いますが、腕に一周巻き付けるタイプを。これにより、前腕筋肉が安定し、サーブスピードも落ちません。学生さんは成長期と相俟って必ずした方が良いです。
日常生活の改善で症状を早く治す
肘の痛み(テニス肘・上腕骨外側上顆炎)は、半年くらいで治ると言われています。実際は、再発する方・長引く方がほとんどです。早期の改善を望む方は、上記でご紹介しました改善策をお試しください。日常生活の改善は非常に大切な事です。
姿勢なんかは今までの癖なので、中々改善するには時間がかかると思います。継続させるのも大変な事です。根気と努力が必要になりますが、悪習慣を治すことで計り知れない改善が得られる。
あまり焦ることもありません。
早く治したい気持ちもわかりますが「じっくり取り組む」事が大切です。
テニス肘について分からないことや、疑問に思ったことがあればお気軽にメッセ―ジ・お電話ご相談下さい。