「椅子から立ち上がろうとすると右膝の上の方がキリッと痛む!」
「筋肉痛の様な痛みがあるなー」
「足を上げたりかがむと股関節の付け根が痛いわ」
「ボールを蹴ろうとすると真ん中が痛い」
「太ももに何かシコリの様なコリコリしたものがあるんですけど・・・」
「ピキッと切れる痛みがあって歩くのがツラい」
膝上の方や股関節の付け根が痛むのは、大腿四頭筋という筋肉が影響しています。
①急に走る・ジャンプをした時にピリッと痛む
②中・短距離で走っている最中に重く感じる
③パンパンに張る感じと痛みで歩行が困難・・・
爆発的に筋肉を使う動作ダッシュ・急激な切り返し等で起こりやすいのが肉離れです。
また何かにぶつかったりすると筋肉が突然切れる場合もあります。
走り出そうとした瞬間に、ジャンプしようとした瞬間に起きるスポーツ障害の代表例でもあります。ふくらはぎ、太もも裏(ハムストリングス)にも好発します。瞬時に動こうとする筋肉が、止まっている筋肉とのズレが起こり断裂してしまうことで発生します。
そもそも大腿四頭筋ってどこの筋肉?名前通り4つ筋肉がある?
大腿四頭筋は太ももの前側の筋肉4つをまとめたボンレスハムです!①骨盤の付け根(下前腸骨棘)から膝に伸びていたり、②~④太ももの骨(大腿骨)から膝に伸びていたり。
①大腿直筋
②中間広筋
③外側広筋
④内側広筋
股関節を屈曲・膝関節を伸展するためには必要な4つの筋で、「足を上げる」動作に重要な筋肉ですね。
日常生活では立ち上がり・歩行・ランニング等・前のめり防止筋。スポーツではダッシュ・ジャンプ・サッカーボールを蹴る動作等に大腿四頭筋が使われてます。
練習で、空気椅子やスクワットを行ったことはありませんか?
太もも当たりに張り・攣り・少し痛みがでて筋肉が悲鳴を上げているような感じが出ると思います。
この時に使っている筋肉が大腿四頭筋です。
肉離れは力もうとする一瞬で起こる
肉離れの瞬間は、何かが切れるような感触があったり、はち切れる音が聞こえたりします。ブチっと
専門的に言いますと筋肉の部分断裂又は完全断裂と表記します。症状を示す割合として
【軽度Ⅰ度・中度Ⅱ度・重度Ⅲ度】があり、主に整骨院ではⅡ度の受傷来院が多いです。
完全に断裂が起こったときは、筋肉がへこんでいるのを触って確認することができ(陥凹)、歩行が困難なほどの痛みを伴います。足は地面に着けるんですが、ケンケン状態となります。
その際に皮下出血が起こり、皮膚面が青紫色になります。筋断裂の面積が広いと青紫色が重力に沿って下方へ落ちていくのが見て解ります。
筋肉が柔らかい人は肉離れにならない?!
筋肉が硬い人は肉離れになりやすい・・・だから柔軟とは正論ですが、硬ければ必ずなっているのか?!そうではありません。筋疲労が原因だったり、気温差(体温と外気温)が15℃以上あればなりやすいんです!極端に言えばヨガの先生だってなります。
身体・筋の柔軟不足→激しい運動→肉離れ
外寒い→アップが中途半端→熱生産過程で筋痙攣
ハードな練習→睡眠不足・ミネラル不足→筋フィラメントに乳酸蓄積
年代別では
①練習による疲労がたまっているとき(学生に多い)
②新たに自分の体を追い込もうと張り切りすぎた時(20~30代に多い)
③肉体的に衰えたプレイヤーが若いころと同じようにプレイしようとしたときなど(中年に多い)
運動会や年一回のイベントに練習も無く参加するのは、十分に気をつけて下さい。
自分でできる治療法・応急処置は?兎に角冷やしましょう
「太ももが張っている感じがあって、違和感がある」
「攣っている感じと痛みで、歩行が少し無理」
このような症状がありましたら肉離れ以外でも応急処置としての基本!『RICE処置』です。
①R・・Rest(安静)
②I・・Ice(アイシング)
③C・・ Compression(圧迫・固定)
④E・・ Elevation(挙上)
肉離れかな?と感じたらすぐさまアイシング!患部への「血液の過度な集中」を抑える事が出来ます。
肉離れになると内出血を伴うので、内出血を起こさない・血液を抑制させる為にガンガン冷やして下さい。
そして安静です。運動はその日~2日間控えて下さいね。
①安静・アイシング・圧迫(テーピング・包帯固定)・高挙が必要です。
②どんなに軽い肉離れでも、なるべく重さをかけないようにしましょう。松葉杖などで体重の負担を分散することが大切です。
③電療法、超音波治療が有効です。内出血により炎症した組織の回復と断裂した筋組織の癒合を早めることができます。
④熱が引き、腫れが残っている状態では、冷温浴による血流促進が非常に効果があります。
⑤鎮痛効果があるクリームを使い、遠目から患部に優しく滑らせ血流を巡らせます。
⑥食事による栄養摂取と睡眠は、肉離れが治る早さに大きく影響するので、タンパク質・無機質・ビタミンを多く摂取しましょう。
病院で肉離れと診察された・・・試合に間に合うリハビリはありますか?
肉離れと診断され、病院では固定と松葉杖を処方されリハビリ期間になります。自宅では、太ももに負荷をかけないことを意識して安静にすることが大事です。
「痛みが気になる」「1日でも早く治したい!」「明日スタメンなんすけど!」
そんな時は整骨院での治療をお勧めします!痛み・受傷期間を少しでも少なくするために
①手技療法
②テーピングで筋肉の補助
③超音波機器で手では届かない奥の筋肉を和らげる治療
を行います。
他にも鍼灸などもお勧めしますが緊急をようする場合は安静なんてしてられないですね。
女子ミニバスケットで痛めた大腿四頭筋肉離れにテーピング
ガッツリ目です。
10代女子・バスケ・センター
痛みの症状が膝上5センチにある為
四頭筋テープにクロステープを加え
ターンをしやすいようにしています。
左右にブレナイ様にクロスで引き締めています。
ラグビー、相手のタックルを受け筋挫傷+ハムストリングステープ
ラグビー練習中に、タックルを切る際に相手の肩や膝がぶつかってきます。
ラグビーは基本的には格闘技に近くコンタクトスポーツの為、足の怪我・捻挫・肉離れ・骨折が後を絶ちません。
フォワードの彼は3人のタックルを受けながらも走り続けました。
太ももに相手の膝が入ったら?
総合格闘技でいうローキックと一緒です。サッカー選手にも多いですが、走り抜ける際にぶつかってしまい数分動けません。
スピードに乗っていると『スピード×破壊力』になりますので、ぶつかってしまうと太もも周辺が麻痺し力が入りません。アドレナリンも出ているので暫くは走れますが、段々と痛みが増してきます。
練習後・試合後には赤くなる場合と青くなる場合があります。
①赤く腫れている=ぶつかった筋肉が裂傷し肉離れを起こしている
②青くなっている=挫滅と言って打撲痕の初期症状となります
ガンガン冷やす!とにかく冷やす!!
ぶつけた箇所を『氷+水』を入れた袋をタオルで包み、30分程度冷やしましょう。
高校ラグビーですと、マネージャーがすぐさま薬缶に入れたお水を注いでくれますね。すごく気持ちいいです。
感覚が無くなるまで冷やしますが、太ももを包帯やバンテージできつく巻くことをオススメします。
次の日(近く試合がある)に出場しなければならないとき
怪我をしていても、大事な試合があれば休んではいられません。むしろラグビーをしていると怪我が当たり前なので、いちいち休んでいられないというのが現実ではないでしょうか。
近くに治療院・整骨院があればすぐに駆け寄ることです。
即効で効果があるのが鍼灸です。電気鍼というパルスを痛めた太ももには効果が非常に高く、次の日には腫れが8割引いていることもあります。私は高校当時、鍼灸のトレーナーさんに何度も治して頂きました。
整骨院では超音波治療+テーピング
打撲・捻挫・骨折・筋挫傷に効果がある超音波治療器は、急性の場合2~3割効果がすぐに出ます。
痛めた箇所を固める為にはテーピングは必須になります。昔はホワイトテーピングでガチガチに固めていましたが、現在では幾らかは動きやすく『固定力+機動性』を重視しています。
上の写真では、アクションテックス(汗に強く剥がれにくい)で強固に固定します。斜めに交互に貼ることで、大腿四頭筋の抑制となり力も逃げません。テンションを筋肉走行に沿って貼ることで、伸展力も保持します。
連日試合でもこなせるように
彼はまだ中学生ですが、練習試合が一日に2試合あるそうです。テーピングでグルグル巻きにするよりかは、ある程度走り続ける為に表面のみ張ります。
試合後は必ずアイシングをし、軽くジョグをしましょう。痛むからといって完全に休んでしまうと、内出血を起こしている筋肉が固まり正座が困難になってきます。痛くてもエンジンを切らずにアイドリングしておくことで、動き続けれます。
膝蹴り、打撲は常にありますが、上手に対処すれば試合は出れます。ただし強い精神・耐久力も必要になるため日々の練習から心身共に鍛えておきましょう。
肉離れ後の固定が回復速度を早める
包帯・ギブス・テーピングで固定することにより、再発防止に繋がります。急性期の場合、患部に負荷がかからないように包帯またはギブス固定をし、松葉杖で体重をかけないようにします。2週間程度で断裂した筋組織が癒合し始めるので、それまではなるべく足を付かない様にしましょう。
テーピングは患部を囲むように×の形を重ねます。次にふくらはぎを覆う様に腓腹筋に沿って貼ります。二つともテンションをかけながら硬めに貼るのが効果的です。急性期でも運動再開時期からでも使えます。
4週目から足が地面に着ける様になるので、筋力を取り戻すリハビリに移ります。
リハビリで肉離れの再発予防に
太もも・ふくらはぎは再発しやすく、クセになりやすいので、いきなり大きな負荷をかけずに、少しずつ筋肉を強くしましょう。
①アキレス腱のストレッチを行って、ふくらはぎの柔軟性を高めます。
②足幅を肩幅ほどに開いた立ち方から、背伸びをしてつま先立ちに→頂点では重心が親指のつけ根の拇指球にのる→そのままゆっくりとスローモーションで降ろしていきましょう。質の高い負荷をかけるために再び上がるときには、なるべく爆発的に一気に上げることを意識してください。
③膝45度からのスクワットをします。慣れてきたら90度まで曲げるようにしましょう。
④ストレッチを忘れずに、太もも前後とアキレス腱を伸ばしましょう。
競技復帰に備えて自宅でできるストレッチ!
是非やりましょう。セルフケアを行うことによって怪我と向き合い少しでも早い改善に努めましょう。急な動作は肉離れになりやすいので、運動前は必ず柔軟体操を行ってください。
EMSは肉離れにも治癒速度を短縮することができます。