%e7%ad%8b%e8%82%89%e7%97%9b
寒い時期がやってきました。暑い時よりも体が固まっていたり、その為何もせずに動き始めると怪我を起こしやすくなる。そういう季節です。動き始める前には、必ずストレッチをして身体を温めてから動くようにしましょう。
筋肉痛に悩まされた事は誰しもがありますよね。

「乳酸っていう疲労物質が筋肉に溜まるから筋肉痛が起こるんでしょ?」

と聞いたことがあると思いますが、実はこの説は誤りであると言われているんです。そこで、筋肉痛とは何なのか?治す方法をご紹介致します。
結論から言うと、筋肉痛は”筋肉にダメージが溜まる→その箇所が炎症し痛みを発する”

筋肉痛とは?

久しぶりに走ったら、次の日足が筋肉痛でふくらはぎが張っている。このような経験ありますよね。普段使っていない筋肉を急激に呼び起こすとオーバーヒートしてしまいます。このオーバーヒートした筋肉を治す、又は筋肉を成長させようとする過程で起こるのが筋肉痛です。

筋肉痛はコンセントリック収縮とエキセントリック収縮がある

収縮することで力を発揮し働く性質を「コンセントリック収縮」→ダンベルを持ち上げる様な動き

逆に筋肉が伸張しながら力を発揮する働きを「エキセントリック収縮」→ジャンプする瞬間など

本来の働きではない繊維が伸びきったり縮んだりする状態で力を出そうとするので、筋繊維が小さな断裂を起こしやすくなります。この筋繊維の断裂が筋肉痛の痛みを起こす元となります。

筋肉痛の痛みには繊維型と乳酸型に別れる

次の日に襲われるあの痛みは、筋繊維組織が再生する過程で炎症を起こす繊維型

3日目以降、運動によって蓄積した疲労物質である乳酸の働きによる乳酸型

安静にしていても痛みが治まらず、二・三日は痛みが続き、日常生活さえ難しくなります。また、筋肉痛の痛みは年齢と共に時間差で発生するようになる性質があるため、運動をした次の日以降に筋肉痛に悩まされることで自分の老いを感じることがあり、主に30代から遅く感じる方が多いようです。

筋肉痛の治し方

①血流の改善

炎症をアイシングなどで冷やして鎮めた後で、マッサージや赤外線で温め血行を良くして治りを早めます。自宅で冷たいシャワーを浴びた後湯船に浸かって温まるといった「温冷浴」や冷湿布が効果的です。

②クールダウン

運動後のクールダウンは、疲労の回復だけでなく筋肉痛を防止する為の重要な役割を持っています。運動後の筋肉は、強張った状態になり血流を阻害して筋肉痛を長引かせる原因になってしまいます。

ストレッチ体操を行い、筋肉の柔軟性を取り戻して血行を促進することで筋肉痛の発生を予防または痛みを抑制する効果が期待できます。ストレッチ中は意識と呼吸法が重要になります。どこの筋肉が伸びているのか自覚しながら深呼吸で酸素を送り込みます。効果を高める為に一つの筋肉につき30秒から1分じっくり伸ばしましょう。

③歩く

運動が終わった後に、ストレッチ前後歩いて『流して』みて下さい。ランナーの方は全力で走った後、急には止まらず速度を落として歩くことで膝の負担を軽減させています。これと同じ原理で運動後には2~3分歩いてみて下さい。

筋肉痛に悩まされている方必見!動いた次の日が楽になる!?

若い方~ご年配の方まで、久しぶりにハードに動くと筋肉痛になる。という経験があると思います。まず、上記で書きました説がなぜ誤っているのか?をご説明いたします。
乳酸は運動中に作られる物質なので、運動後しばらくしてから筋肉痛の症状がでることとつじつまが合わないから。もし、筋肉痛の原因が乳酸だとすると、筋肉痛は運動している時に始まって運動後はだんだんと回復していくはず!

「でも、運動後には痛みがないけど、翌日以降に出ることが多いよ?」

こんな経緯もあるので、最近では新たな説が有力に。”筋肉がダメージを受けることで、炎症が起き、痛みが出る”という説。これだけでは何が何だかさっぱりなので詳しく突っ込んでいきます。

筋肉痛の痛みが遅れてやってくるのは筋肉の構造に関係あり!

結局筋肉痛の本当の原因はなんなの?筋肉痛のメカニズムを知っておくと、治し方・予防法を理解しやすくなります。「遅発性筋肉痛」と呼ばれるものがありますが、名前の通り、筋肉痛が運動した翌日にやってくる事です。
筋肉痛の痛みが始まるのは運動してから数時間~2日程経ってからです。痛みのピークは2~3日後で1週間くらいで治るのが一般的ですね。
にしても、筋肉痛の症状が出るのに少し時間がかかるのはなぜ?それには筋肉の構造が関係しています。

筋肉の構造と筋肉痛のメカニズムを知る

筋肉は細い「筋線維」という集合体です。筋線維が束になって集まったものが筋肉になります。この筋線維は「筋膜」と呼ばれる膜に包まれている。

%e7%ad%8b%e7%b7%9a%e7%b6%ad

筋肉痛はこの筋線維がダメージを受けて痛みを引き起こす物質が放出される事で発生します。

筋肉痛が発生する流れ

激しい運動をすると筋線維がダメージを受ける。

激しい運動で筋肉に大きな負担がかかると、筋線維がダメージを受けて損傷します。しかし、筋線維には痛みを感じる「痛覚」がないのです。

筋膜には痛覚がありますが、この時点では筋膜には何の変化も起きていません。筋線維がダメージを受けただけでは痛みを感じないのです。

白血球が集まって炎症が起きる

筋線維がダメージを受けると、炎症が起こります。炎症を起こした筋線維組織を取り除くために血液中の掃除屋さんである「白血球」が集まります。

発痛物質が発生して痛みを感じる

白血球は掃除をすると共に、腫れ・痛みを引き起こす発痛物質である「ブラジキニン」「プロスタグランジン」等を放出。上記の発痛物質は、筋膜にある痛覚を刺激。発痛物質は筋線維の腫れも引き起こすのです。

以上が筋肉痛が起きるメカニズム。筋肉痛とは……

白血球が放出する発痛物質によって引き起こされる痛みという事です!

筋肉痛が翌日以降にでるという時間差の原因は、発痛物質が発生するまで痛みを感じないからなんです。ここまでが筋肉痛のメカニズムのお話です。筋肉痛を早く治す方法をご紹介していきます。

筋肉痛を治す方法!

筋肉痛の痛みを和らげる為には、筋線維のダメージを回復したり、痛みの原因である発痛物質を散らしたりするのが効果的です。治す方法は以下の3つ!

1筋肉の血行を促進させる行動をとって、睡眠をしっかり!
2タンパク質やビタミン類を意識的にとる!
3医薬品で痛みを和らげる!

以上の3つを詳しく説明していきます。

1、筋肉の血行を促進させる行動をとって、睡眠をしっかり!

筋線維のダメージを回復するには、筋線維を新しく作っていく必要があります。それを手助けするのが”栄養分”・”酸素”栄養分や酸素を筋線維へと運搬するのが血液です。筋線維のダメージを回復するには血行を良くすることが重要なんです!

血行が促進されると発痛物質を患部から散らすことができるので、痛みも軽減することができます。

血行を促進させるためには

1ぬるま湯にゆっくりと浸かる!
2サイクリング・ランニング等の有酸素運動・ストレッチをする!

有酸素運動は筋線維のダメージ回復を早めますし、筋肉痛の時でも身体に負担をかけずにできる運動としてもおすすめ!こうした血行をよくする行動を取りつつしっかり睡眠をとることも忘れずに!

久しぶりの運動をした後、皆でお酒を呑んで夜更かしー!なんていう気持ちは分かりますが、しっかり運動をしたら休むことが自己管理とも言えるでしょう。

2、たんぱく質ビタミン類を意識的に摂ってみよう!

ダメージを受けた筋線維を早期回復させるためには、栄養補給が欠かせません!筋肉痛になったなっと思ったら、以下で紹介する栄養素を特に意識して摂ってみましょう。

タンパク質

タンパク質は筋肉の素となる栄養素でダメージ回復には効果的なんです。魚・肉・大豆・卵・乳製品等に多く含まれています。

ビタミンCとビタミンE

ビタミンCとビタミンEには血行促進の効果があります。その為ダメージ回復を早めてくれるのです。フルーツ・生野菜・ナッツ類・植物オイル等に多く含まれています。

ダイエットを目的として運動をしている場合、摂取カロリーを抑えがちですが、筋肉の修復にはエネルギーを消費します。なのでしっかりとカロリーを摂っておくことが重要なんです。

1日に必要なカロリーは身長・体重・生活環境によって違ってきます。詳しくはこちら⇒1日に必要なカロリー計算

3、医薬品を使って痛みを和らげる

筋肉痛の痛みが辛いときは、冷却シップ・モーラス等の貼り付け薬、ロキソニン・バファリン等の経口薬に代表される「非ステロイド系消炎鎮痛剤」がおススメ!

ロキソニン・バファリン等の経口薬は、痛覚に痛みを知らせる発痛物質の生成を抑えてくれる働きをします。

以上が筋肉痛の治し方です。

  1. 筋肉の血行を促進させる行動をとって、睡眠をしっかり!
  2. たんぱく質ビタミン類を意識的に摂ってみよう!
  3. 医薬品を使って痛みを和らげる

是非試してみてください。

「そもそも筋肉痛は予防できないの?」

「筋肉痛の痛みは気持ち悪くて、生活にも支障がでるからできるだけなりたくない!」等

激しい運動をすればなりやすい筋肉痛ですが、予防策ももちろんあります。

筋肉が伸びた状態で運動すると筋肉へのダメージが大きい!?

筋線維がダメージを受けるのは、筋肉が引き伸ばされた状態で負荷が掛かっているからです。この状態を「伸張性収縮運動」と呼んでいます。

・くだり坂を降りる

・階段をおりる

・重い荷物を降ろす 等

これらの動きは筋肉が伸びている状態なんです。山登りをして急な下り坂を長時間下ったりすると筋肉痛になる可能性大です。家の中の階段を下ったりするのも伸張性収縮運動の状態。

階段から落ちないように、あるいは下り坂の勢いで転げ落ちないように足で踏ん張りますよね。その時足の筋肉は伸びきっていて負担をかけています。この運動をしている時の動作を見ると、上半身の力は使わず、下半身だけで動くことが多いといえます。

日常生活で起こる筋肉痛は下半身に症状が出ることが多いですね。

伸張性収縮運動以外にも筋肉の動き方はあって、以下のものは筋肉への負荷が少ないので筋肉痛になりにくいものです。

・短縮性収縮運動

筋肉が縮んだ状態で負荷が掛かるものです。階段を上ったり、荷物を持ち上げたり自転車のペダルを漕いだりする等の動きを言います。

・等尺性収縮運動

筋肉が伸び縮みしていない状態で負荷が掛かるものです。腕相撲・空気椅子のように動きが静止している状態を言います。

何か運動をする時には、どこの筋肉が運動しているのかちょっとでも考えてみましょう。それが伸張性収縮運動であれば、筋肉が完全に伸びきらないようにゆっくりと動作をしてみてください。

【下り坂はゆっくり降りる】【重い荷物は時間をかけてゆっくりと降ろす】等丁寧な行動をすることによって筋肉痛の予防になったり、痛みを軽減できたりします。

筋肉痛が残っている時に運動する場合は、短縮性収縮運動・等尺性収縮運動に切り替えることをおススメします。ランニング等の伸張性収縮運動で筋肉痛が起こるのであれば、サイクリング等の短縮性収縮運動に切り替えるとか。

筋肉痛になりやすい動きには特徴があるので、その動きを回避すればある程度筋肉痛を回避できます。しかし、伸長性の動きや運動を一切しないわけにもいかないですよね。

伸張性収縮運動をするときは、これからご紹介する予防法を試してみて下さい!

重要な3つの筋肉痛予防法

筋肉痛を予防するには、筋肉への負担を少しでも軽減させること!例えば……

  • 1、運動前に入念なストレッチをして筋肉を伸ばしておく
  • 2、湿布等の医薬品を運動前から使用する
  • 3、運動直後には、怪我をしてるしてない問わず、必ずアイシングをする。

1、運動前に入念なストレッチをして筋肉を伸ばしておく

ケガを防止するには、運動前はストレッチをした方がいい、ということはよく知られていますよね。どの競技もストレッチなしに練習を開始することは無いと思います。

ストレッチは怪我の予防だけではなく、筋肉痛の予防にもなるんです。ストレッチで筋肉をあらかじめ伸ばしておくと、運動時の筋線維へのダメージを減らせるから。

筋肉痛の予防法には、筋肉を伸ばしながらじっくりと体重をかける事ができる”反動をつけないストレッチ”が効果的です。

2、湿布等の医薬品を運動前から使用する

湿布などの筋肉痛に有効な医薬品は、運動前に貼っておくと筋肉痛を軽減させる効果があるの知ってました?なぜかの理由はまだ判明してないですが、研究データはあるみたいです。

3、運動直後には、怪我をしてるしてない問わず、必ずアイシングをする。

運動直後にアイシングをするのも筋肉痛の予防になります。まだ筋肉痛の痛みが出ていないときに、しっかりと冷やすのがポイントです。アイシングをする時は、氷水が入った“氷のう”を筋肉にあてましょう。

もし、アイスパックなどを使う場合は、タオルなどに包んでくださいね。アイスパックを直接皮膚にあててしまうと、凍傷になる恐れがあるのでくれぐれもご注意を。

何故アイシングが筋肉痛の予防になるかというと、運動によって炎症の起きた筋線維を鎮めることができるからです。アイシングの時間は約20分。あまり長くやりすぎると、凍傷になる危険もあります。

これらの3つのの予防法は、どれも手軽にできますので、今度運動をする前にぜひ試してみてください。また、筋肉痛になってしまったとしても、基本的には1週間以内には回復しますので安心してください。

ただ、下記のような症状が出ているときは、筋肉痛以外の原因が考えられますので、すぐに病院を受診してください。

・筋肉痛が1週間以上続いている⇒骨折・肉離れ等の重大な怪我をしてる可能性アリ

・運動してないのに筋肉痛のような痛みを感じる⇒内科系の病気の疑いアリ

運動すると、なんだか気持ちが落ち着いたり、スッキリしたり、良いことだらけです。ですが、怪我・筋肉痛等を引き起こす事にもつながっていきます。

まず、運動前はストレッチ!これは欠かさないでください。特に寒くなる秋~冬にかけ、身体は固まっていく=怪我が増える。少しでも筋肉が和らいでいて、身体が温まった状態で運動をしてみてください。

筋肉痛について分からないことや、疑問に思ったことがあればお気軽にメッセ―ジ・お電話ご相談下さい。