関東学院大学 フィールドホッケー部 テーピング (16)

皆さん「フィールドホッケー」ってご存知ですか?

私は北国出身なので、「アイスホッケー」なら幼少の頃からプレイしていましたから、神聖なる「氷の上」のバトルだと思っていました。が、「陸の上」にもホッケーバトルがあるんです!!それも芝生→サッカー場なんかでしっかり行っているスポーツがあるんです!恥ずかしながら、横浜市立大学の生徒さんが来るまで存知なかったものですから説明します!!

フィールドホッケーとは?

スティックと硬球を使い2チームが相手ゴールに向けて互いにそのボールを打ち込もうと競い合う

スティックは一緒ですが、パックのゴム製ではなく硬球です!当たれば痛いです!実際触った感じはソフトボールの感触に似ていました。

オーストラリアやニュージーランドが盛んだそうですが、日本でも競技人口は多くなっています。特に大学生の試合は男女共に熱く、全国大会レベルは世界にも匹敵するそうです!

関東学院大金沢文庫キャンパスへお邪魔しました

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白散道トンネルを抜けて上へ登っていくとあるグラウンド

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めっちゃ試合してる!!

ルールは細かくは分かりませんが、アイスホッケーと一緒でボールを相手の枠内に入れたら勝ち。ゴールはサッカーの半分程度だと思います。

低い姿勢でドリブルしなければなりません。みんなボールへ低い姿勢で絡みに行くので、見ているこっちが腰痛を心配してしまいます。職業病でしょうか・・・兎に角、皆低い姿勢のままドリブルするんです。

関東学院大学 フィールドホッケー部 テーピング (9)

この日は明治大学vs横浜市立大学で男女試合がありました。

フィールドホッケーで痛めやすい腕と膝にテーピング

ホッケーは格闘が混じるスポーツでもあります。相手との駆け引きでどうしても突っ込まなければならない場面もあるとのことです。大まかに共通する怪我としては

①スティクを常に動かすので「外側上顆炎」になりやすい(テニス肘)
②相手と激しくぶつかるので、打ち身・打撲になりやすい
③倒れる競技の為、膝を痛めやすい
④低い姿勢が続き、腰痛にもなる

アイスホッケーと違い、プロテクター無しの生身の為相手選手との接触が普通にあります。更にスティックが足のスネにヒットすると、とんでもなく痛いそうです。

今回撮影にご協力頂いた生徒さんは数年前に膝が相手とぶつかり「前十字靱帯断裂」に。手術はしない保存療法で治した為、競技中膝がグラつくそう。依頼されたのは膝がブレナイ様に走れるテーピングを。

前十字靱帯(ACL)とは?

前十字靱帯とは、膝関節の中にある靭帯で、運動・日常の生活等で膝を安定させる役割をしていて、大腿骨(太ももの骨)脛骨(スネの骨)を結んでいます。
関節の中に存在している十字靭帯は、前・後の2本あり、膝がぐらつかないよう大事な役割を果たしています。

前十字靱帯損傷は何故起こるのか?

スポーツを行っている際に前十字靱帯損傷が起こりやすい動き
①ジャンプの着地時
②バスケット・サッカー等での急激なターン、ステップなどに生じる『非接触損傷』
③ラグビー・アメフト等で、タックルの大きな外力を受けた時に生じる『接触損傷』

バスケットで例えると、膝を軸とした急激なストップ・ピポット動作の際に起こりやすい。受傷時には『プチッ』と音が聞こえる。膝前十字靱帯損傷・断裂後は、膝に血液が溜まりやすいので歩行が困難に。

スポーツを行っている方に良く起こりうる前十字靱帯損傷または断裂(ACL損傷)
サッカー・バスケットボール・ラグビー・アメフト・相撲・格闘・スキー等
『急な切り返し・方向転換』を行うような競技に起こります。他にも、人と人とのコンタクトにより起こってしまう場合もあります。

前十字靱帯損傷と疑われる症状

①膝がぐらぐらする
②膝に力が入らない
③膝が完全に伸びない、正座ができない
④スポーツ復帰して何度も膝を外してしまう
⑤膝が腫れて、熱をもつ

痛みは少なく、膝周りの不安定感が主に感じる。
放置してしまうと靭帯の機能が働かないため、膝がガクッとなることが繰り返し起こる。
膝くずれや不安定感が続くと内側半月板(関節のクッション)が擦り切れてくるので、半月板を切除する必要。膝に不安定感がある方、①~⑤番までの中で当てはまるものがある方は、早めの治療が必要。
靭帯の損傷(断裂)かどうかは、レントゲンを撮って確認。

前十字靱帯断裂に有効なテーピング

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撮影は試合の都合上途中からですが、内側半月・内側側副靭帯固定を。

前十字靱帯が切れると、膝が内前方に飛び出す感覚があります。実際触診すると怖いくらい膝が飛び出してきます。これを抑える為に×字テープを交互に貼ります。

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前十字靭帯が切れていると膝にぐらつきが出ますので、内側はかなり頑丈に貼ります。

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テンションは強め。できればアクションかホワイトの方が良いですが、撮影上キネシオテープだけで行いました。

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アンカーで縛ってテープが剥がれないようにします。

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オレンジ色のテーピングは、実は後ろでグルット巻いています。

膝全体が前に飛びさない為に交互に8字を描く様に上に登らせるんですね。そうすると膝が飛び出すことなく安定します。

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アンダーラップをやらないのは、この日は直射日光だった為汗が止め処なく流れていました。

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直ぐに剥がれてしまうのを危惧し最後にスパイラル+アンカーを織り交ぜています。この方が皮膚に密着する為汗をかいても剥がれ落ちないんですね。

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テープ同士を重ねると、筋肉のふくらみとダッシュのこすれ等で剥がれてしまうんです。

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前十字靱帯断裂したままのお膝でプレーしている選手は初めてだったので、ヨダレ物でしたがしっかり巻くことができプレーも良い感じでした!

本当は手術した方が良いのでしょうけど、学年最後の試合が今年に控えている為延期するそうです。サポーターとテーピングを駆使して、最後までプレーしてもらいたいですね。

女子にも人気が凄い!!フィールドを駆け抜ける「なでしこ」

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男子の試合が終わった後は女子ですが、100人程各大学から集まっていたのでしょうか、凄い熱気です!男子に負けていない程の盛り上がりを見せてくれました!

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走っては打ち、阻止をしに走り、ボールを追い・・・初めて観戦しましたが非常に面白いスポーツです!

是非観戦しに行って下さい。

今回トレーナー兼テーピングアドバイザーとして参加させて頂く機会を作ってくれた「礒部 錬君」ありがとうございました!そして撮影のご協力を頂いた横浜市立大学フィールドホッケー部員の皆さまありがとうございました!またいつでも呼んで下さい!

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イケメンな錬君は一年生ながら卓越したテクニックでプレーされています。怪我をしないように勉強と練習頑張ってね!

もしも前十字靱帯断裂してしまったら?!

私の母も、若い時にバスケの試合中膝から『プチッ』と音がし、前十字靱帯の断裂をしています。
その時手術はせず、怪我の為現役を引退。未だに手術は行っていないので、身体を動かすことは厳しく、膝の不安定感を抱えている。今年中には手術をして、バスケができるようにと息子ながら願ってます。

柔道・女子サッカーの世界では常につきまとう症状で、結果から言いますと手術の方が早くしっかりと治ります。現在はプロ・アマ問わず、損傷・断裂してしまったら→手術の流れの様です。

復帰にも長期間かかりますが、決して諦めないでリハビリさえすれば復帰できる症状です。詳しくはこちら⇒前十字靱帯断裂から復帰した選手まとめ

前十字靱帯損傷に対する手術

世界的にベストとされるのが、自らの組織を用いて再検する方法『自家腱移植』がある。

①BTB法→腱についている骨と大腿骨、脛骨との癒合がしやすい。
②STG法→手術の傷が比較的小さい。十分に太い靭帯が作成できる。

自家腱移植には2つの方法があり、靭帯の機能を回復させます。お尻から靭帯を持ってきたり、使わない靭帯を持ってきたりと大手術になりますが、自身の細胞の為予後は良好です。
手術を行わず、保存治療という方法もあり患者さんの意思に尊重されますが、早めの手術治療をお勧めすると記述・説明する整形外科が多いようです。

手術後のリハビリ

年齢・体力により回復具合が前後しますが、一人一人に合ったリハビリを提供。
理学療法士・作業療法士などの専門家がいらっしゃいますので、プロの指導下の元行われる。

①最初は痛みの少ない範囲で行う→膝の可動域訓練・筋力訓練・歩行訓練
②通常2~4週間前後で歩行ができるようになるので、日常生活の歩行が可能となる
③術後3カ月頃には、軽いジョギングもできるようになり、ダッシュやジャンプの練習も
④スポーツ復帰時期は、全ての項目をクリアした時になるので一般的には6~9カ月かかる。

膝靭帯損傷にはサポーターを厳選

主に関節の固定・動揺性防止・回旋制限・屈伸制限を目的とし、ガッツリとしたサポーターが必須となります。段階的に受傷後3ヶ月までは頑丈なサポーター→4~6カ月は少し動けるサポーター→7カ月以降は予防するサポーターと使い分けることが大切です。

横浜で有名なリハビリテーション病院

リハビリでは有名な横浜のリハビリテーション病院をご紹介します。

金沢区並木には→『横浜並木リハビリテーション病院』
横浜並木リハビリテーション病院
ちなみに8年前は渡辺の母校、【並木第3小学校】でした。現在はシーサイドライン並木中央駅の近くにあります並木第二小学校と合併並木中央小学校に改名されています。

 新横浜リハビリテーション病院