1月13日(日)夕刻、笹下釜利谷道路にて原付バイク運転中、急に左側から飛び出してきた乗用車に吹き飛ばされ、『左鎖骨』を骨折しました。
病院でレントゲン+CTで鎖骨、頭部を画像確認し、クラビクルバンドで固定して帰宅となりましたが、ココからの生活が想像以上に大変でした。鎖骨を骨折された方、肩関節を痛めて悩んでいる方の少しでも助けになればと思い、ここに記載します。
病院での固定が、一人で外せない?!
クラビクルバンドをしたら基本的に自分の力で外すことは不可能です。
また1度外すと、自分では装着できません。
つまり1人暮らしの方には向かないと思います。
鎖骨骨折の固定には、襷掛けのサポーターを巻かれます
まず、クラビクルバンドの目的は折れた鎖骨の長い方(首から来ている)の骨が上に(やや後方)飛び出ます。これは鎖骨についている筋肉の影響ですが、これを抑えて折れた短い方の骨と位置関係をなるべく合わせてくっつけるからです。
可能であれば、このままお風呂に入らず、寝る時も体をある程度起こしたような状態で骨同士が付くまで・・・と行きたいところですが、衛生状況も良くないことから、ある程度身体を拭いたり、シャワーを浴びたりしないとなりませんので、骨同士が付くまである程度時間がかかり、多少はズレて着くこともあります。
クラビクルバンドの巻き方(装着の方法)
このバンドを装着する時は、胸を開いた状態で固定しますので手の動きが制限されます。
私は左利きですが、その利き手側で折れてしまったので
- 腕が上がらない。
- 腕を降ろしているのが辛い。
- 肘は曲げられるが、手を前に出せない。
- 箸より重いものが持てない。
- 力が入らない。
- 手を付くことが出来ない。
⇒これでは日常生活に影響が出てしまいますね。特に炊事、トイレ、入浴等、生活に必須なことが、ことごとくできないんですね。最も困ったことは、お尻を拭く動作ができずに、5分以上かかりました。
自分で出来るクラビクルバンドの巻き方
身近にバンドの付け外しをしてもらえる人がいると、朝晩の付け外し以外は装着したままになるので骨の付が良くなります。しかしパートナーなどがいない場合は自分でやらねばなりません。
そこである程度バンドの輪っかを作っておきますが、四つ折りぐらいのハンドタオルの厚さと自分の指の厚さ分ほどの余裕があれば自分で脱着しやすくなります。
私の場合は床に座る生活なので、椅子があると手をついて立ったり座ったりする必要が無いので、すごく便利に感じますし、テーブルも高いのでご飯をテーブルに置くときも痛みがありません。ダイニングテーブルなど高い台での作業は肘から手にかけては動かしても痛みがありませんので不自由しないのですが、洗い物は蛇口に左腕を置いて洗わないと支えられません。
クラビクルバンドをすることのメリットとデメリット
手術までの約1週間だけクラビクルバンドを装着していましたが、そこで感じたメリットは
①ストレスがかなり減ります。
骨折の痛みが減り、重苦しい腕が軽くなり動かしやすくなるので、身体的はもとより精神的なストレスが軽減されます(かなり楽です)
折れていた時は腕を動かすときに腕の重みを肩甲骨がかばいますので、非常に疲れます。これにより腕はもちろん首や肩が凝り頭痛が出ることもあります。
②治りが早くなります。
日常生活の動きに制限はかかりますが、この分安静を保てることで早く骨同士が付いてきます。
③お仕事によりますが復帰も可能です。
肘は普通に曲がりますし腕の負担が軽くなりますので、PCを使ったデスクワークなど(重いものを持ったり力の掛からないことであれば)お仕事をすることも可能になります。ビジネスバッグなどはケガしていない肩でかけたりの工夫は必要ですがある程度は可能となります。
デメリット
①締め直しが出来にくい。
クラビクルバンド自体ご自身で付け外しが出来ませんので、外出時の締め直しは厳しくなります。
②不衛生になります。
夏場は特に汗をかきますので、脇の下にタオルなどを敷いたり、バンドを洗濯するタイミングが難しいです。
③普段より手が届かない。
いつもは気にせず届いていた所も、腕が伸びないので届かなくなります。まさにかゆい所に手が届きにくい状態です。
④伸びが出来ない
胸を張ってタスキ掛けで身体を固定されていますので、伸びなど体の緊張を解きた時には羽交い絞めされている状態なので伸びがしにくいです。
それでも鎖骨は構造上重要な役割を担っていますので、バンドを巻いた方のメリットは大きいです。
肩関節の構造と鎖骨の役割
鎖骨は肩の関節を作っている骨の一つです。
肩関節を作っている骨
- 腕の骨(上腕骨)
- 後ろ側の骨(肩甲骨)
- 前側の骨(鎖骨)
鎖骨は
- 本体では胸の中心にある大きな骨(胸骨)と
- 腕側では肩甲骨とつながっており、
肩甲骨は
- 本体では肋骨の背中側に筋肉でつながっていて
- 腕側では鎖骨とつながっています。
鎖骨と肩甲骨の連結の下で腕の骨(上腕骨)と肩甲骨がつながっているので、ぶら下がっている腕の重みを肩甲骨が支えますが、肩甲骨は背面で筋肉が支えているので、本体の骨としっかりつながっている鎖骨がその負担を軽くしている構造なのです。
更に肩甲骨は首の骨や背骨とも筋肉で支えられていますので、今回の様に鎖骨が折れてしまうと、鎖骨の支えが無くなり肩甲骨を支えている筋肉に負担がかかりますので、肩こりや筋緊張型頭痛に悩まされるだけでなく、筋肉が固まって動かなくなることもあります。
鎖骨は折れやすい
一方で鎖骨は折れやすく、肩関節も他の関節と比べ外れやすく出来ています。
これは転んでしまって手を付いた時に、その衝撃が強いと脳に影響が及ぶことが無いように、鎖骨又は腕の骨を肩関節から外して衝撃を抑える役割も持っていますので、肩関節を直接車にぶつけました際に、鎖骨を折ってその衝撃を脳に伝えない様にしたのです。
クラビクルバンドは必ず装着してください
私の場合は事故直後に病院で検査を受けた時にお医者様から「手術適応になりますよ」と言われたので、手術を決断して早い日取りで受けられるように段取りして頂けました。ほとんどの鎖骨骨折の場合は手術が適応となるとは限らない為、クラビクルバンドで治していく治療になります。
私は手術までの1週間はバンドをしてはいましたが、朝に整骨院でバンドをしっかり装着してもらい、夜に一度外してもらってから自分で脱着できるようにして家で過ごしました。これを入院日まで繰り返しました。これをしておかないと、私は一人暮らしなので入浴が一番困りました。正直手術をしますので、骨が付かなくても良いのです。
ただ、バンドを装着しないで過ごすと「複雑骨折」と言って皮膚から骨が飛び出してしまう事も有ります。これは非常に大変なことになりますし、キチンと装着しておかないと内出血も繰り返されます。
必ずどなたか脱着できる方のもとで、クラビクルバンドをキチンと装着して過ごして頂く事をお勧めします。