大学生の彼が横浜市南共済病院で『右肩関節唇損傷』と診断され、リハビリを5月から始めて、ちょうど2か月。

今ではすっかり痛みも無く塁間を投げられる様になり、夏の合宿・遠征に無事に行けました。とても苦しいリハビリをこなした成果だと改めて思います。→とっても苦しい鬼の筋トレ方法はこちら

今回は、筋トレすると筋力が増し、コントロールが若干ズレることがあります。甲子園で騒がれたピッチャーは皆、プロ野球に入ると身体が大きくなりますね!スナップを鍛えることでコントロールを修正します。更に打撃面でも握力は非常に重要なので忘れずに鍛えましょう。

また、痛みが無くなってきた時期に”野球肩再発防止”として日々行なって欲しい筋トレをご紹介します。

スナップを鍛えて制球力アップ+打撃のグリップを強くする

①座った状態のお膝の上に、手首の真上がくるようにします。

この時に、前腕はべったりと太ももみ密着した状態にします。

②手首を落とし、ダンベルを指先ギリギリで持ちます

③ゆっくりと転がす様に、上に持ち上げましょう

④ただ持ち上げるのではなく、落とした状態からMAX持ち上げます。これ以上手があがらないよ!という位置まで→手がプルプルいく程度が有効です。

2㎏のダンベルを左右50回。3㎏なら30回。5㎏なら10回と重さによって回数が変わりますが、腕がパンパンになる程度が良いです。

⑤次に、ダンベルをボールを投げる様に、指に引っかけます

もしも丸いダンベルをお使いの方は、落とす危険もありますので、十分注意してください。

⑥親指で支えながら、弧を描く様にシャドーリリースします

この時に、肘と手首は常に固定して下さい

重さで手首や肘がブレない様にしましょう

ゆっくりリリースします

筋トレもリハビリも大切なことは『常に実戦を意識し、場面を想像する』ことが大切です。地味な作業ですが、リリースした先に、相手がいると思って想像して下さい。意識するのと、しないのでは筋肉の付き方、パフォーマンスが15%前後変化があると、どこかで聴きました。

ピッチャーがこれをじっくりと3ヶ月間やり続けると、高校生までなら球速10~15㎞/ℎ早くなります。いかにスナップを鍛えるの重要かが解りますね!

 

アイソメトリックを応用して、ピッチングに必要な筋肉を維持しよう!

これは各動作で有効です。インナーマッスルを鍛える肢位で、ただ高速に揺らすだけです。

揺らすふり幅は左右5㎝程度です。限界まで高速にギアをあげて下さい。

①座って、肘の外旋インナーマッスルの姿勢になります。

②ただ、高速に、ダンベルを降り続けます!肩、肘は固定したまま、密着状態のままです。

ブワーッと左右に動かすと、僧帽筋~大胸筋に線が現れます。

ダンベルの残像が残るくらい、素早く動かしましょう。

彼は鎖骨周りに”くぼみ”が出るほど、動かし方が上手です。胸も痙攣しだしてます。うらやましい

③立ちます。

腕は真横→水平に保ちます。

上下5㎝だけ振ります!高速に!限界を超えて!!

体幹がブレないように、左手は胸辺りを抑えていた方が静止できます。

身体全体が、崩れない様に気をつけてください。

④ブワーッ!!

ブワーーーッ!!!

全く関係ないですが、この撮影にNikonD5100だったんです。絞りを甘くしても、さすが超高性能。ビタッと静止した写真になってしまうんですね。この残像を出すために、彼にダンベルが見えなくなるがごとく、汗が飛び散るまで振りに降って頂きました。色んな筋肉に好影響が出るそうです。

 

伸びる球を投げる為に、体幹筋をもっと向上させよう!

①うつ伏せになります

両手はバンザイ状態です

②そのバンザイ姿勢のまま、真上に上げます

③同時に反対の左足も、真上にあげます!

対角線上を鍛える感覚ですね。

上腕外側筋群からローテーターカフ+広背筋+殿筋+ハムストリングスを一挙に鍛えることが可能です。

20回をできれば左右やりましょう。痛かった肩の方ばかりやると、片方がムッキムキになりバランスが悪くなります。それほど効果が現れやすいです。

この筋トレ自体は、痛めている初期段階から行なっても効果的ですが、あくまでもバンザイ状態が痛み無くできる段階から始めて下さい。彼は関節唇損傷が2か月経過した今、やっと安全に出来るようになりました。

 

野球肩・肘を治す為の筋トレ総まとめ

3つのシリーズからなった『インナーマッスル編』『鬼の筋トレ編』『スナップ・体幹・再発防止編』でしたが、いかがでしたでしょうか?

この他にも様々な野球肩・肘を治す為の筋トレ方法があります。選手一人ひとりに合った最適な組み合わせを是非試してみてください。また、体幹筋はクランプもそうですが、非常に有効です。今後は準備体操と一緒になるくらい浸透するのではないでしょうか?サッカーの長友さんに感謝です。

いつも参考にしている野球肩・肘を治す為の必須なバイブルはこちら

実際にご来院頂いている「関節唇損傷」の大学生が快く撮影に応じてくれて、感謝に耐えません。誠にありがとうございました。本当に痛みがある、しかも手術まで薦められた野球肩をここまで回復できたことは、私にとっても大変喜ばしいことです。これから始まる大学野球リーグ戦の大いなる活躍を祈ってます!

もしも、同じように野球肩や肘でお困りの方に少しでも参考になれば幸いです。