バレエ5

ダンス種類別の怪我について前回はお話をさせて頂きました!ダンスはダンスなので、足首の捻挫・中足骨損傷等下半身に加わる影響は大きいですね。

今回はダンスの「動き」です。

バレエダンサーの動きの名前をご紹介しながら、その時に起こりやすい怪我も考えていきましょう!

ダンスの動きで変わる怪我を知る!

鳥の様に美しく舞うバレエダンサー。手を天高く挙げながら足を開いたりジャンプしたりと沢山の動きを見せてくれますが、それぞれ名前がしっかりあります!動き方と、起こりやすい怪我をご紹介!

アラベスク

片脚で立ち、もう一方の脚を後ろに伸ばして(床についていても離していてもよい)ラインを作るポーズです。軸脚はまっすぐまたは、ドゥミプリエでも構いませんが脚の重さは足の裏全体に均等に配分されなければなりません。上げた方の脚は膝が真っ直ぐに伸びていることが美しいポイント!

アラベスクの形態はたくさんありますが、どのポジションでも軸脚に体重を均等に配分して、苦痛・怪我を避ける事が大切です!

 

~ダンサーに起こりやすいケガや痛み~

軸足のアーチにかかる力が大きすぎると、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)が起こります。

足裏が痛む炎症です。これと同じく、回内する力が踵部滑液包炎(しょうぶかつえきほうえん)や慢性的な踵骨棘(しょうこつきょく)を引き起こします。

かかとの骨(踵骨)が増殖したものです。かかとの裏側のかかとから足指まで伸びている結合組織の足底筋膜が過度にかかとに引っ張られると骨棘ができます。

healthil

(healthil参照)

赤丸の部分が骨棘です。

足裏の踵付近を押すと刺すような痛みが出るのが特徴です。これの治療には足裏の筋・人体をほぐし、足底にクッションを入れることが有効です。ソルボなど地面からくる衝撃を和らげるものを入れ、ストレスを減らします。

整骨院の治療では、超音波を照射し踵の骨を調整するモビライぜーションを行います。

また、ドゥミプリエでは過剰な力がアキレス腱に吸収されアキレス腱炎を起こすことがあります。常につま先立ちによりアキレス腱が潰されることが原因で、重度の場合ですと休養が必要な場合があります。

アキレス腱を痛めたら、ふくらはぎの筋肉をほぐし⇒ミルキングというのを行い、アキレス腱細胞の再構築を助長します。

 

アッサンブレ

片脚を床の上で外へ払い、同時に軸脚で空中へ跳ね上がる上昇ステップです。アッサンブレは、身体は直立し股関節と両足の中心上になければなりません。足を外に払った時に不均衡な体重のかかり方を代償として、過度のストレスが生じることがあります。

軸脚で上手く飛び上がるためには正しいボディーアライメント(体幹筋)が必要となります。

 

~ダンサーがケガをしにくくするためには?~

どちらか一方の脚で調節する必要がある時は損傷が起きる可能性があります。軸脚は不必要な力を足関節に受け、その結果着地時に「捻挫」を起こします。払う方の脚は払う動きでぶつかり、炎症が起き皮膚の剥離・水疱・打撲・血腫等を起こします。バレエをしている方に痣が多いのはこの動きですね。

踏切や着地の時に膝に無理な緊張がかからないようにするためには、アッサンブレの動きを通して股関節を外旋することも大切です。

空中でバランスが悪くなる=片方の筋肉が弱い又は体幹筋が偏っているため起こる怪我です。サッカーの長友選手が行っている体幹筋トレーニングが最も有効ですね。もしも捻挫に悩まされている方は、私と一緒にこのトレーニングをやりましょう。地味にキツイですがこのトレーニングで捻挫予防・空中感覚領域拡大のメリットがあります。

 

アチチュード

片脚は膝を曲げて上げ、もう一方の脚は真っ直ぐかドゥミプリエで身体を支えている直立したポジションです。軸脚と上げる脚の両方とも股関節から外旋しますが、現在では内旋を認めることもあります。

~起こりやすい怪我~

上げた脚の膝は足よりも高く、アチチュードの正しいイメージを作り筋肉を正しく発達させなければなりません。正しい位置に脚を上げている時に、背中ではなく大腿の筋肉を使う事が大切です。正しいポジションに見せようとして、かま(鎌)状にまがった足になってはいけません。技術として正しくないうえに、腱炎・足底筋膜炎を起こします。

 

バランセ

ワルツのテンポで片足からもう一方の足へ重心を移動する動きです。重心の移動は重要で、後ろに足を着く時ダンサーは足の裏で体重を確実に支えなければなりません。足全体が床に着いている時は、体重が足全体に分散していなければなりません。

~起こりやすい怪我~

重心を移動する時に膝に炎症が起きたり、捻挫・腱炎等も考えられます。

バロネ

空中に跳ねる動きで、片方の足を軸脚の膝か足関節の所から伸ばしてジャンプし、その脚を同じ点に戻して軸脚で着地します。この動きでは、始めと終わりに片脚で身体を支えます。状態を引き上げ中心でバランスをとっている必要があります。バロネの跳ねる動きを妨げるので、重心が踵に落ちない様にしましょう!

デブロッペ

片脚で立ってもう一方の足を立っている脚の足関節から膝へと持ち上げ、それから真っ直ぐに脚の長さ一杯まで伸ばしていく動き。足の裏(母指球)辺りに力を置き、この動きの間は体幹でバランスを保つことが重要です。また軸脚が内反足・外反足になって、筋肉・靭帯を傷つけない様に務めて下さい。

エシャッペ

跳ねる動きで、足は跳ぶと同時に第2ポジションまたは第4ポジションになります。床の上の正しい足の置き方がこの動きには不可欠で、それによってダンサーは跳んだ後の正しいポジションを確認できます。

アントルシャ

ダンサーが真っ直ぐ上にジャンプし足を交差して互いのふくらはぎを打ち、足を替える上昇のステップです。アントルシャでは、両肩が両股関節がスクエアになっていて、中心から上がることが大切です。正しく外旋したブリエは両足でのしっかりした踏切を確実にする為に不可欠です。空中にいる時身体は直立し、趾はポアントになっています。

ジャンプし、足を交差するので「体幹」バランスがかなり必要となります。空中でバランスが悪くなる=片方の筋肉が弱い又は体幹筋が偏っているため起こる怪我です。サッカーの長友選手が行っている体幹筋トレーニングが最も有効ですね。
もしも捻挫に悩まされている方は、私と一緒にこのトレーニングをやりましょう。地味にキツイですがこのトレーニングで捻挫予防・空中感覚領域拡大のメリットがあります。

フェッテ

上げた脚と状態の鞭打つような動きです。股関節を確実に外へ引き上げることが大切で、それによって太ももや足に不要な圧力がかからないようにします。鞭打つような動きの間、軸脚の滑らかな移動と安全な着地を確実にするために腹筋を使ってみましょう。腹筋をつかって中心にいることが大切です。

グリサード

滑る様な動きで、高いジャンプに先立って行われます。腹筋からの引き上げと第5ポジションプリエでの外旋が大切で、軸脚が脚と体に強いバネを与える事ができます。間違った体重の配分と不適切な外旋があると足首捻挫・膝関節症等の怪我をすることがあります。

ピルエット

片足での体の回転です。まず第1にダンサーは体重を正しく両足に配分しなければなりません。第2に、軸脚の膝は回転している間真っ直ぐに伸びていることが絶対に必要です。そうでないと体のアライメント(体幹)が崩れ、重心が移動して足を捻挫・靭帯損傷に繋がります。

回転する時にスポットをつけることも大切です。スポットによりダンサーは楽に回転ができて、足と状態のストレス予防もできます。

プリエ

脚を股関節から外旋し膝を曲げる動きです。ドゥミプリエやグランプリエでは、趾を緊張させずに床に足を置かなければなりません。膝や足関節が外を向いている方向よりも、さらに両足が外を向いてはいけません。両足を内反や外反させないことが大切です。

内反・外反をすると筋肉に無理な緊張を与え、その結果靱帯が怪我が起こりやすくなります。膝のストレスにもなり、同様に膝の怪我の原因ともなります。

シソンヌ

両足で踏切り片足で着地するジャンプです。高さを求められる全てのジャンプにいえるように、ダンサーはジャンプで状態を引き上げられ、動きの前には重心は両脚の中心になければなりません。着地が片足なので、体重が正しく配分されないと、余計な圧力が軸脚にかかって捻挫をしてしまいます。

タンジュ

片脚を滑る様に出して伸ばしたポアントポジションとし、それから閉じた位置に戻す動きです。軸脚は真っ直ぐに伸ばして床の上に正しく置き、内反・外反せず趾で床を掴み、体重を均等に配分します。ダンサーが足を外へ滑らせて出す時、正しいストレッチと筋肉の強化を確実にするためには、お尻を上げたりアライメントを崩さないことが大切です。

親指の怪我が多いダンサーですが、動きを正しくすることによって怪我の予防に繋げる事ができます。怪我が多い方はもしかしたら動き方が間違っているのかも!?と疑ってみてください。

体重は、片脚だけにかかっていると片脚だけにストレスが溜まり怪我原因になります。正しい体重の配分をして怪我を無くしていきましょう!

治療は、医師の力が不可欠です。痛みを抑える「ステロイド注射」等が効果的です。母指球・指の疾患はお医者さんに相談してみてください。

 

~実はバレエでのケガで一番多いのは親指?!~

足のストレスを避ける為に内反・外反をしないことが重要です。足の母趾球(ぼしきゅう)は着地の時に大きな衝撃を受けています。これは、骨膜炎・滑液包炎・関節包炎・種子骨炎を起こす原因になります。

更に踵は着地の時いつも床につけなければなりません。でないとシンスプリントが生じます。状態を引き上げることは、良いバランスを取る為に必要です。

おやゆびの怪我はバレエ選手に一番多いかもしれません。

バレエは親指に負荷がかかるため、潰れている又は爪が剥がれていたり変形している方が多いですね。私の姉もこれに悩まされていました。発表会前だと先生に『足が痛くて踊れません』なんて言えませんから、麻酔を打ったまま出場したりしていました。この痛みが通り過ぎると、頑丈な親指に出来上がる訳ですが、、、、3年程度痛みと戦わなければなりません。姉は痛みに慣れ、かつ周りの皆も同じ様な状態だった為続けていましたが、見ていた親は不安でしょうがありません。

かといって、治療に専念すると完全OFFにしなければならず、世界のダンサーの大きな悩みとなっております。バレエ専門の医師が近くにいれば良いのですが。

今のところ、親指の腫れ・激痛に有効な治療は注射・ステロイド投薬です。整骨院での治療は良くて20%の改善が見込めますが、完全に治癒するには医師の力が不可欠です。

一つ一つの動きで、気をつけなければならないポイントは違います。脚に負担がかかる事はダンサー特有ですが、少しでもストレスを軽減させるためにはどうするのかを一緒に考えてみましょう!そして怪我のないダンス人生を送りましょう!分からないことや、疑問に思ったことがあればお気軽にご相談下さい。