スポーツ中に最も起こりやすい膝の怪我で、内側半月板損傷(ないそくはんげつばんそんしょう)があります。
文字通り膝の内側を痛めてしまい、膝を曲げれない状態になります。しっかりと治療をしないと、膝が完全に曲げれなかったり、伸ばせなかったりもします。
Sさんは、ママさんバレーこの道40年という大ベテランですが今回初めてスパイク時に膝を痛めてしまいました。
内側半月板損傷とは?
膝の骨(大腿骨)の中間にあたるクッションです。
上半身を支える為、膝の靭帯は強固な構成です。
よく【お膝の軟骨がすり減って膝が痛む】という変形性膝関節症というものを聞きますね?
正確には軟骨がすり減る→加齢による水分が減り潰れることです。
スポーツ中に起こる半月板の怪我は、【外力により発生する断裂】が最も多い
①ジャンプから着地する瞬間、膝が捻じれたまま・変な方向を向いたまま体重×Gかかる
②相手とぶつかり、衝撃で捻じれる
③相手とぶつかり、相手の身体が膝の上に乗っかる
半月板損傷したら?
①膝のお皿周りが腫れる(腫脹)
②膝の横側に熱を持つ(熱感)
③歩ける場合と歩けない場合があるが、膝を痛くて曲げれない
④足を付くと膝に衝撃が走る
とてもバレーを続行できそうにありません。
来院された時は足を引きずっていました。治療するにあたり、重症な場合は松葉杖が必要な場合があります。
Sさんは何とか自力で歩くことができるため、強固なサポーターを装着してもらうことになりました。
※膝の怪我は、手術が必要な場合もあります。
ライフスタイルに合わせた治療方法
サポーターを何故薦めるのか?
これには深い理由があります。
完全に治すのであれば、ギプス固定・シーネ等で良いんですが、患者さんのライフスタイルを考慮する必要があります。
Sさんはバレーを週に3回行かれてます。ガチガチに固定して松葉杖を渡すと、バレーの練習・試合を休まねばなりません。本人の意思を尊重し、こちら側が治癒までの治療計画説明をいくつか提案します。
スポーツをされている方、学生でのクラブチーム所属・部活している子も一緒です。
問診時の指針
①試合に出たいか出ないか
②練習に参加するか、別メニューがあるか
③いつまでに治したいか
④旅行・遠方へ外出先の予定があるか
⑤学校・通勤の道のりは?坂道があるか、電車・バス通勤か
⑥自転車・自動車の運転があるか
⑦家の構造・階段・段差・トイレの位置がどうなっているか 等
これらを問診時に聴きます。
細かく聞いた上で、患者さんに適した治療計画を提案しています。
スポーツをされている場合、本人がまず試合に出たいか?または怪我が完全に治ってから復帰するのかでも治療法・固定の種類が変わります。
また、チームのコーチ・監督は選手をどう使うのかも聞いておく必要があります。怪我をした選手のリザーブがいるか?選手が怪我をしてでも、この選手を出場させ勝ちに行く大事な試合なのか?
Sさんはママさんバレーの練習は完全に休みたくない、ボール拾いくらいなら参加したいとの要望がありました。1か月後に大事な試合があるので、それまでには治したいとのこと。
サポーターのこだわり
A.練習には参加したい
B.1ヶ月後には復帰
腫れも熱感もあるので、無理はできませんが固定力もあり且つ少し動ける。
『膝+サポーター』で検索すると13,507件ヒットします(重複しているのもあります)。この中でSさんに最も適したサポーターを業務用・楽天・Amazon等から探します。
発注から到着までに3~5日かかりますが、この間は整骨院での十八番『包帯固定』を行います。
一般の方が選ぶと微妙に合ってない場合があるので、サポーター選びはプロに任せた方が良いです。
サポーター巻いているけども、サイズが少し余っている→その固定力は足りない又は少ない等多く観られます。
近くの整骨院の先生ならば、患者さんに身体に合った症状・痛みに対しての目利きスキルもあるので、どれを選べばいいのか迷った場合は、お近くの整骨院で相談してみるのもいいですよ。
日常生活・練習の注意点を指導します
届きました!
bonbon社のDXフロントニーガード!!
サポーターをチェックし、いざ装着へ
膝にそのまま巻いてしまうと、皮膚がすれてカブレの原因にもなるので、ストッキネットや薄手のサポーターを履きます。
両サイドにプロテクションパットがあるので、テンションかけながら引っ張ります。
内側半月板損傷なので、気持ち内側を強く引っ張るのがコツです。
完成です!!
固定力もあり、少しの屈伸運動なら可能です。
ただ無理はいけません。。。
後日、バレーの様子を伺った所、曲げすぎると痛むけど気をつければレシーブくらいはできるわ。とのことです。
固定力か可動性を優先か?
今回は、練習に参加したいSさんの要望があったので、ヒンジ・ステー・ボルトが入っていないタイプにしました。
金属が入っていると、固定力が強すぎて動けない等のデメリットもあります。
練習・試合に出たい場合は、固定力しつつも可動性に重きをおきました。重症度によっては金属プレートが入っている物も良いです。
患者さんのライフスタイルに合わせたサポーターを提供することを心掛けています。今回ご紹介したサポーターは、
スポーツしている方にお薦めいたします。