私は日常生活で自動車を運転することがありますが、街中を走っておりますとオートバイとタクシーには時々驚かされることがあります。
以前仕事でオートバイ関係の仕事をしており、仕事の一環でレースもやっておりましたので、オートバイの街中での走行は非常に怖いものがありますが、それ以上にタクシーの突然停車ほど怖いものはありません。今回のケースは
①渋滞中の車列に居たタクシー
②乗客を降ろそうと左側のドアを突然開く
③後方から左路肩をすりぬけ走行するバイク
④すり抜けをしてきたバイクが突然開いたドアに追突
⑤そのためオートバイの方は左前方に飛ばされる
オートバイの運転手は両腕に打撲+擦過傷のケガを負い、地面に叩きつけられた頸や腰に強い衝撃が走り全身打撲状態となりました。
相手がタクシーともなると普通の人との事故と違い、かなり厄介になる可能性が高いと言われていますが、その理由とは?
町中を走るタクシーの交通事故は減少しているが・・・
画像参照:国土交通省
皆さんはタクシーをどういう時に使われますか?初乗りが680円~1,000円以内の距離だったり、待ち時間が無い分手頃なところで乗り降りもできますね。
ですから乗客が突然「止めて!」と言ったら、すぐに対応したりするので事故の原因に繋がります。また営業台数を鑑みても全てとは言いませんが、全体の交通事故率は非常に高いと言わざるを得ません。上図の様に、平成28年度のタクシー交通事故は13,526件です。
そのため通常の自動車保険ではおそらく対応できないと思います。一昔前はタクシーの運転手は任意保険には入れないでいた人も多かったため、2004年10月から任意保険の加入義務となりました。
「運転手」と「雇用主の会社」双方に賠償請求できます
最近では外資系企業などのダイレクト自動車保険にみられる低価格化によって保険に入りやすくなっていますが、タクシーの場合は、運転手さん個人とその使用者であるタクシー会社双方に賠償請求ができるのはご存知ですか?
元々事故率の高い運転を生業としていますので、事故を繰り返しますと保険料が高くなり個人では入れなくなります。それでは困ってしまうので、自賠責の範囲か物損については会社がみていたりもしていました。
いわゆる使用者責任という事です。要は事故を起こした時に安全運転の指導をしてるにもかかわらず起こしたことに対する責任となります。
しかしこのタクシー会社が曲者なのです。
先に申し上げましたがタクシーの台数たるや相当の数になりますが、一社当たりの保有台数も多くあるため今のご時世では、保険料もグンと高くなります。
そんなこともありタクシー会社は組合を作り共済保険に加入しています。いわゆる団体保険のようなものです。
この共済保険はタクシー会社が作った保険ですので会社が有利になればよいという考えですから当然もめるリスクは高いです。もちろん事故対応にも慣れていますので事故対応に慣れていない方は要注意です。
タクシー保険会社の対応が悪すぎる?対策はないのか?
保険がらみのもめる理由というのは、「十分な治療が出来ない」ことが多く、また「後遺障害に対する対応の不満」があるからというものです。
しかしタクシー共済は「自社が有利になればよい」という考えなので、「言うべきものは言う」というスタンスかつ、場合によっては「事故そのものが無かった」事にしようとします。ですので治療以前の問題になります。
タクシー業界もそうですが世の中は、常に人材不足にありドライバーが仕事が出来なくなる+会社も利益が減ってしまいます。
当然人身事故扱いにされると行政処分を受けますので、免許停止処分になってしまう心配も有り、さらにこういう事が続くと個人タクシーなどは認可取り消し処分になりかねないので、必死に抵抗して来るのです。
人身事故扱いと物損事故扱いでは金額に大きな違いがある
算定基準は、タクシー側は
「物損でも治療費は降りるよ」
か言いますが、金額が低いのであっという間に
「これ以上はお支払いできません、治療費停めますよ」
と言われるのです。つまり安く済ませたいと。
そして人身事故扱いにされた場合は、運転者の過失を見られますので、ドライバーは過失を認めないという暴挙に出てまでも運転免許証の損害を小さくしたいのです。
こうなると会社のほうに賠償請求をしたくなりますよね。しかし会社は事故その物が無いと言い張ったり有っても賠償金をすごく値切ってきたりします。ここで感情的になってしまうと相手の思うつぼです。こちらが素人で何も知らないことをいいことにそう言い張るのです。
何故被害者が、加害者側の保険会社と揉めるのか?
こちらに非が無く100%相手が悪いとなった場合は、自分のところの保険会社は1円にもならないので一切動きません。
そのために素人同然の被害者本人がエキスパート相手に損害を訴えなければなりません。被害者がよく勘違いするのは、より多くの賠償を取ろうとすることです。そのために低い算定基準を提示されると感情的になりやすいのです。
こちらに何らかの過失があった場合でも保険会社は実態調査をほぼ行いません。下手すると発生位置をGoogleMAPで見るくらいです。そして発生状況を聴くと過失割合を算定して勝手に終わらせようとします。自分の加入している保険会社がですよ?
保険会社は弁償を自分に変わってやってくれる会社ですので、判例や算定基準に基づきスピーディーに事故解決をするのが仕事です。相手方と直接やり取りをしても所詮はらちが開かない分、それぞれの言い分を警察がまとめて出た調査に基づき、これまでの判例に従い示談するのと、いかに費用を小さく抑えるかにかかっています。
ですので「いくらになりまーす」と安い金額を何の説明もなく平然と言ってくるのです。
物でしたら金額が決まっておりますので新品であれば揉める事も有りませんが、人の治療になりますとこうは行きません。いくら治療費が出るからといって物損でも低い算定基準になってしまいますので、後から揉めるケースが多くなります。
交通事故後の鉄則
① ケガが無いか確認して警察を呼ぶ(近くの人に呼んでもらう)
② 事故処理は相手が何と言おうと人身扱い(痛みは後から出てきます)
③ 相手のナンバーと連絡先や会社をメモorスマホ撮影
まず被害者だからと言って100%通じないので、冷静に証拠集めを十分に行ってください。
事故現場付近にコンビニエンスストアや、監視カメラが付いていないか確認して下さい。
ご自身の車両にドライブレコーダーがあると有力です。
発生日時を確認しておく。速やかに警察や救急に電話しておきますと、おおよその時間がわかりますので、監視カメラの検索がスムーズになります。
あると後々便利な書類
実況見分調書(相手の過失割合を出すのに必要になりますが弁護士が必要)
事故証明書(かなり大事です。相手が事故自体を否定してくる場合を考えてすぐに警察を呼びましょう)
診断書(必ずコピーを相手に渡し法的に正しい賠償金額を調べておきましょう。原本は必ず手元に保管して置きます)
しかし事故自体やケガを事故が原因ではないなどと否定して、支払いに応じないなどが起こりますと泣き寝入りしなければならない事がありますので、必ず自己解決せずに弁護士を立てることをお勧めします。
弁護士はなんだか敷居がお高い?!
「弁護士費用が高くて払えそうにもない」
「裁判になったら時間がかかるし費用もかさむ」
「世間体があってみっともない」
「会社を休みたく無い」
など考えてしまいますよね?
でも弁護士は途轍もない味方で、実は
「依頼者の利益を最優先とする」
です。これは必要以上のお金を相手から取ろうというのではなく、「双方合意のもとに早期解決に導くこと」で、正当な治療代や後遺障害の保証であったり、煩わしい手続きや交渉ごとも弁護士さんが総てお任せ出来るのです。
費用って高いですよね?
確かに不通に依頼すれば高額の費用が掛かりますが、「弁護士特約」は知っていますか?
自動車やオートバイをお持ちの方で任意保険に加入されていればおそらく「名前くらいは聞いたことあるよ~」という方もいるかと思います。
弁護士特約が何の保険に入っているのか?
同居しているご家族の誰かが加入している自動車保険や火災保険(地震保険)などで弁護士特約が付いていたらご自分も使うことができます。
この弁護士特約は交通事故などの示談交渉における弁護士費用を払ってくれる保険なのです。
下の表に書いて有るように、孫やいとこまで同居していれば使えます
記名被保険者に対する被害者の関係 | |
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同居 | ・配偶者 ・親族(6親等内の血族・3親等内の姻族) |
別居 | ・配偶者 ・未婚の子 |
契約者や同居の親族等が運転した契約車両に乗り合わせて事故にあっても使えます。
事故の対象 | 契約車 | 契約車以外 |
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人身損害 | 契約車の搭乗者 | 記名被保険者またはその同居の親族等が運転する車の同乗者 |
物的損害 | 契約車の所有者 | 記名被保険者またはその同居の親族等が運転する車の所有者 |
補償内容は大体300万円まで費用を補償。
実際にかかる費用も300万を超えるケースはほとんどありません。「依頼者の利益」がありますので、弁護士特約を使って費用をオーバーする弁護士はまずいません。
示談をする前に、気軽に弁護士さんに相談する時代
巷に「弁護士事務所」や「法律相談所」がありますが、それぞれ得意分野があります。企業経営や特許訴訟に強かったり様々です。
出来れば交通事故の示談交渉に強い弁護士事務所に依頼した方がよいでしょう。
よく市役所などにもパンフレットがおいて有ったりしますが、整骨院でも交通事故専門に扱っている弁護士事務所と提携しているところもありますので問い合わせてみてください。
もし交通事故でご心配な事がございましたら当院へお気軽にご相談ください。専門弁護士とも提携しており、弁護士先生との無料相談も行っております。