9月7日から13日、ドイツ・シュツットガルトで新体操の世界選手権が行われました。
日本代表は見事出場枠を団体、個人1つで獲得!団体の種目別・リボンでは、40年ぶりに銅メダルを獲得しました。団体では、畠山選手、国井選手、松原選手、熨斗谷選手、杉本選手、横田選手。個人競技では皆川選手が獲得し、団体総合では、3位とわずか0・218点差で5位入賞。
個人・団体で、日本選手が大活躍してくれました。リオ五輪でのメダル獲得も見えてきましたね。本日は、新体操・体操の違いと注目選手についてお話させて頂きます。
新体操と体操の違い
同じ体操という名前がついておりますが、競技内容が異なります。
手に何かを持って競技を行っているのは『新体操』持たずに演技を行っているのは『体操』(器械運動・器械体操)と呼ばれます。
体操競技とは?
学校で行われるような、『器械運動』『器械体操』を含み、学校体育で用いられる鉄棒・跳び箱・マット運動をはじめ、雲梯・ジャングルジム・登り棒・滑り台・ブランコ等も含まれます。
体操競技で演技が行われる種目をご紹介いたします。
【男子】
①ゆか
②あん馬
③つり輪
④跳馬
⑤平行棒
⑥鉄棒
体操競技ではこれらの演技が行われ、構成される技、美しさが評価の対象となる。演技はそれぞれ個人で行われ、団体の場合は、個人の点数の合計が団体の点数になります。
女子の床演技には音楽が用いられるので、明るく美しく見えますよ!
新体操競技とは?
女子種目と男子種目とありますが、種目の内容は大きく異なります。女子種目は柔軟性が高く華麗な演技に特徴があり、男子種目では、宙返りなどのタンブリングや力強い演技が特徴です。演技が行われる男子種目と女子種目をご紹介いたします。
【男子】種目(手具)
①スティック
②リング
③ロープ
④クラブ
【女子】種目(手具)
①ボール
②クラブ
③リボン
④フープ
⑤ロープ
年によって1演技除外されることもあり、大会では4演技で総合得点を争う。新体操は全ての種目に音楽が用いられます。12m四方の床で音楽を使って演技を行い、美しさ、リボンやフープの手さばき、男子の場合はタンブリングも入れて行えますので、演技の難易度、美しさが評価される。
新体操の団体戦は、1チーム(女子は5人、男子は6人)が1つの演技を一緒に行い、女子の場合、手具を投げ合ったりします。男子の場合、宙返り等を同時に行い、美しさ、技の難易度だけではなく、チームの一体感等も評価の対象となるんです。
日本を背負うアスリート『畠山愛理』選手
今回、日本代表の中心選手として期待をされている畠山選手。世界選手権後の帰国会見では『五輪ではもっと輝いて、笑顔で表彰台に立ちたい』と心意気を見せました。長期的に強化を続けてきた畠山選手を中心に、日本選手の活躍を期待します。
6歳の頃から新体操を始める
①【2009年12月】フェアリージャパンオーディションに合格。新体操日本ナショナル選抜団体へ
同年、第27回全日本ジュニア新体操選手権大会個人総合8位
②【2010年~2011年】世界新体操選手権代表(団体)
③【2012年】ロンドンオリンピック代表。(新体操団体)
現在は、フェアリージャパンPOLAの選手としてオリンピックに出場され、日本を背負う選手として大活躍をされています。アイススケートやバレリーナと同様、芸術スポーツであるのが新体操です。その中で畠山選手は『美しすぎる、新体操選手』として、注目を浴びています。
畠山選手の身長170㎝と長い手足が武器となり、畠山選手はリオ五輪でどんな素晴らしい演技を見せてくれるのでしょうか。皆さんで期待して、応援していきましょう!
体操競技で起こりやすい怪我の種類
体操競技は、身体を曲げたり伸ばしたりと激しいスポーツです。種目によっては、自分の身体を腕だけで支えて競技を行うものもあります。(鉄棒、吊り輪等)体操選手は、常に怪我を抱えながら競技を行っているそうです。少しでも怪我をする可能性を低くするため、着地をする際の微調整を行っています。
ジャンプ~着地の際に怪我をしてしまうケース
①腰・股関節の付け根の痛み
②足首の捻挫
③大腿骨・脛骨の疲労骨折
④膝蓋骨の脱臼等
特に反復性で負担がかかる場所が炎症しやすいです。体操は、肉体の限界まで身体を伸ばしたりジャンプするため、外力による怪我が付きものです。あと身体があり得ない程柔らかいというのが特徴で、太もも(大腿四頭筋起始部)が痛めやすい方が多くみられます。
一般の方の筋肉収縮率を大きく上回っている為、本来痛くなりにくい股関節・腰部の『キワ』付け根が炎症を起こします。上前腸骨棘から腸骨稜が剥がれるイメージです。これになると『反り腰』となり、ジャンプする瞬間にピリッとするそうです。
私は身体が硬いので、この痛みに味わったことがないですが、フィギュアスケート・体操選手が悩む箇所です。回転した際に、遠心力と腹斜筋で引っ張られる且つ四頭筋で踏ん張る為。。。
この股関節・腰部周りには鍼治療が有効です。キムヨナもこれで治療していましたね。
新体操は華麗な演技の裏に底知れぬ努力とミスが許されないチーム団結力が相まって華麗になります。日本代表選手は世界に通用するまでなりました。
リオ五輪新体操日本代表メンバー
7月8日にリオ五輪新体操出場メンバーが発表されました。
【個人総合】
・皆川夏穂選手(18才・イオン/国士舘大学)
【団体総合】
・杉本早裕吏選手(20才・日本体育大学/みなみ体操クラブ)
・松原梨恵選手(22才・ALFA)
・畠山愛理選手(21才・日本女子体育大学/東京ジュニア新体操クラブ)
・横田葵子選手(19才・国士舘大学/安達新体操クラブ)
・熨斗谷さくら選手(18才・日本女子体育大学/コナミスポーツクラブ本店)
フェアリージャパンの力強く美しい演技をバックアップしてるのはメイク!
新体操団体では、5人が一体となって戦わなければなりません。その中で、1人1人の”表情”が最も大事になってきます。5人全員がまとまっている印象を審査員にアピールしたいのです。
一番大事なのがメイク。海外の選手と比べると、日本の選手はどうしても幼く見えてしまう。力強いメイクで対等に見せなければならない。そこで2007年から化粧品会社【POLA】の美容コーチを派遣。遠くから見ても近くから見ても、5つ子に見える様なメイクを施している。
普通のメイクとは何が違うの?
そもそも普通のお化粧とどこが違うのか? “新体操”というと、アニメの『タッチ』の南ちゃんのようなナチュラルメイクのイメージだった。サポート活動が始まったのは、2007年8月。翌9月には北京五輪出場権を賭ける世界大会が迫っていた。日本体操協会の山崎浩子強化本部長から、とにかく“目ヂカラ”をつけてくれと要請があり、目力に重点を置くと言う。
私は女性でないので良く分かりませんが、アイラインを太く大きく引いてとにかく目を開眼させるみたいです。
汗でメイクが落ちないように
もう一つのポイントが「汗で落ちない」こと。生半可な運動量ではない。顔にも激しい汗をかくスポーツなので、“化粧もち”がいいのも前提になる。“化粧もち”が悪いとどうなるか? 汗でファンデーションが崩れてしまいます。
スキンケアから何から何まで選手の美容をサポート
ニキビ・肌荒れ等はご法度です。生きている以上できてしまうのはしょうがない事ですが、審査員からすれば、やはりそっちに目がいってしまい原点の対処となるのです。
日頃のスキンケアもサポートしているのが【POLA】さん。専門的な知識を取り入れながら練習後の美容に気を使います。練習後は大量の汗をかきますよね。汗には塩分が含まれているので、肌の潤いが消え、しっかり汗を拭き取らないとニキビがでてくることも。
1人1人のスキンケアを行い、肌の細胞から乾燥の原因まで細かく調べます。その選手にあった美容方法を見出し、美しい顔立ちを実現しているのです。
洗顔剤の泡立て方法や洗い方等、皆さんゴシゴシやりすぎてませんか?
メイクは各自で行います。選手に合ったメイクの仕方も細かく伝授。
メイクの審査基準も細かく厳しくなってきたみたいなので、強力なサポーター美容コーチの元、メダル獲得を目指していきましょう!
リオ五輪出場国と放送時間は?
新体操競技の出場国(14ヵ国)が決定しています。
日本・ロシア・ブルガリア・スペイン・イタリア・イスラエル・ベラルーシ・中国・ウクライナ・アメリカ・ブラジル・ドイツ・ウズベキスタン・ギリシャ
強豪国を挙げるとすれば、昨年の世界選手権1位ロシア、2位ブルガリア、3位スペインですね。日本は5位に入っていました。十分メダル獲得に期待できると思います。
放送予定
競技日程は、現地時間で8月19日(金)~21日(日)です。