GW前に交通事故を起こしてしまいました。その後日、金沢文庫病院にて撮った私のレントゲン写真になります。レントゲンには写りませんが、事故後7日間は首が全く動きませんでした。詳しくはこちらをご参考下さい→GW前の院長が起こした交通事故
交通事故後によく聞く「むち打ち」とは?
交通事故で良く起こるケガの一つに「ムチ打ち」があります。
これは主に衝突の際に頭の重さで頸がムチがしなるがごとく動かされて頸の筋肉や靭帯等を損傷してしまう事を言います。ふいに後ろから追突されると、背中がムチの様にしなる所以です。
人間の身体は、骨盤が土台となって、背骨があり頭があります。運転中は土台の骨盤が固定されます。骨盤に近い腰骨はいくらか固定されいますが、追突されると腰の部分が支点になり、5~10キロの頭の重さを付けた背骨達がしなり、姿勢を保持している脊柱起立筋が耐えられる範囲以上の外力を受け、支点となる首・腰をいためます。その際捻ったりしたらなおさらです。
①ガーン追突する・される
②胸が前に押され腰が必要以上に反らされる、
③今度は、胸が引かれ必要以上の急な前傾で腰伸ばされる。
④この意図的でない動作が1~2往復を一瞬で繰り替えされ首・腰の靭帯に負担がかかる。
そしてむち打ち・腰痛へ・・・・・
詳しく言うともう少し細かい分類はありますが大半はこのような状態になります。このケガはレントゲンでは写らないので、自覚症状のみの判断という事になります。そのためにこんな経験を多くの方がされています。
①病院では骨には異常がないと言われた。
②レントゲンやMRIでは『問題無し』と言われたのに痛みが後から出てきた。
③痛みを訴えても、具体的な治療がない。
④痛みや痺れが手~腕にかけて出ているのに、治療ではなく痛み止めの薬を処方された。
⑤首の牽引を続けているが良くなっているのか解らない
このために後遺障害を残してしまったり満足のいく治療を受けられなかったりしているようです。
実際に交通事故で通院されている患者様の症例
◇タクシーが運転席側へ横から追突
◇患者様(夫婦)
◇【頚部むち打ち・背部挫傷・腰部捻挫】との診断書をご持参頂きました。
◇頚部を右と前に首を倒す事が出来ず、事故当日~翌日に熱が発生。
事故発生瞬間に身構えるのと、無意識なのでは衝撃の度合いに変化が起きる
◆旦那様は横から急に向かってくる車の気配を感じ、明らかに追突するのが悟ったので、全身に力を入れ、衝撃に耐えた
◆奥様は、予測もせずに追突されたとの事で、全身打撲感・倦怠感があり
◆奥様は、頚の圧痛は1週間位で消えてきましたが、動かすと痛みがジーンと残像感があり
◆むち打ち症特有の『頭痛・吐き気・眩暈』が有ったため、頸椎カラーを勧めました。
交通事故後のケアを含むと、完治まで3~6か月以上かかります
治療を継続していましたが、偏頭痛が中々改善されません。側頭筋を緩めたり、頭の血流を良くしても、むち打ち症特有の症状が軽減するには時間がかかります。
腰の症状は早くに軽くなりましたが、頭痛は波を打つように1か月以上も続いています。
交通事故治療から2か月目
痛み止めを服用しながら、再度自宅での頸椎カラーを指導。
仕事中や外出中は頸椎カラーが人目に気になる・恥ずかしいとのことで外されていました。それでは改善が遅くなってしまいます。
交通事故治療から3か月目~
天気によって、良くなったり悪くなったりと変化が出てくる様になりました。この時点では強い痛みはありませんが、何かと重い・動かしにくいが残っています。
整形外科へ月に一度ご通院して頂いてます。お医者様のアドバイスを頂きながら、半年で治癒になりました。
衝突時に身構えたご主人はおおよそ4カ月で治癒です。
身構えるだけでも違いますし、運転席が助手席かの環境状態によっても変わりますが、どの交通事故後の痛み・むち打ち症状では、長期の治療期間が必要だとご理解ください。
重症度合いにもより期間は様々ですが、平均的な目安としては
・中度の場合概ね3ヶ月~6ヶ月
・重度の場合6カ月以上
この様になります。
「整骨院で治療しているけど、まだ痛いし、良くなってんのかわからないー」と思う方もおられますが、何よりも治療の継続が改善の近道なので、根気よく先生達と一緒に治しましょう!
また定期的に病院でどのくらい良くなっているのか通院する必要があります。
整骨院ではどのような治療になるの?
それでは実際にどのように治療して行くのかや、先ほどの様に治療効果が現れずに不安視されている方は下記の目安を参考にされるとよいと思います。
~痛みが強い1ヶ月~
1、受傷してから可動域確保・強い頭痛が治まるまでは軽めの治療で冷却・アイシングがメインになります。
2、頭痛が落ち着き、めまいが治まるまで、約1カ月程かかりますがこの頃から少し背中をほぐせる程度です。
~段々痛みが落ち着いてくる2ヶ月~
3、首が少しずつ動かせる様になったら、段々と可動域を広げたり・圧を強めていきます。
~頚が動かせるようになる3ヶ月~
4、慣れてきましたら次はストレッチ等も加えていきます。この時期でおよそ3ヶ月程度かかります。急にぶりかえる頭痛・吐き気に気を付けてください。
5、症状が安定するまで、施術・運動療法をこなしていきます。治ってくる実感も出てきますが、雨の日は首を冷やさない様にしましょう。
~むち打ち治療の流れをまとめると~
①湿布・アイシング治療を5日~1週間
②症状が落ち着いてから頚~肩甲骨部の筋緊張緩和などの理学療法
この間、痛くてシャンプーや歯磨き動作・寝返りをうつこともままなりません。病院で出される『痛み止め』を服用しながら治療しましょう。
症状が落ち着いてくると首が動かせないことにかなりストレスを感じてきますので、ご自身でも肩甲骨を背中に寄せるなどして背中の筋肉をほぐして下さい。
交通事故後に、恥ずかしくても必ず巻いて欲しい【頚椎コルセット】
病院などで青いマフラーの様なものを巻いている方を見たことはありませんか?
むち打ちは首を少しでも動かすことが厳しくなります。そこで下図のような首のコルセットを巻かなければなりません。
頸椎カラーと呼ばれる固定治療具です。
硬めのマフラーみたいな物で首を固定し、痛みを和らげます。怪我の度合によって期間は様々ですが、2週間~2ヶ月固定し首の動揺性予防・過伸張・過度の後屈予防となります。
「ずっと首に巻いてるから食事する時邪魔だわー」
「何だか首を絞めつけられてるから嫌だわー」
慣れれば大丈夫です!!
巻いていた方が確実に早く良くなります!!
大よそ30%程度治癒速度が促進されるので、迷わず巻いてみましょう。
首を土台に置くことで、頚椎圧迫緩和状態を作り休める事ができます。
まだ痛みがあるのに保険会社が打ち切りを宣告?!
ムチ打ちは保険金詐欺の代名詞と言われるほど旺盛でした。
昔はCTやMRIといった精密機器も無かったので痛いという自覚症状が目安になっていました。そのために保険会社も金額も治療期間もシビアになっていますので「すこしよくなってきましたー」と保険会社に言うと、
「じゃあそろそろ治療終了で宜しいですかね?」
などと治療の打ち切りを打診してきますが決して従わないで下さい。
首や腰は実際に痛みが取れにくい部位なので保険会社と揉め易いのです。治るには時間を要しますし継続して治療をしていくからこそ後遺障害が出にくくなります。仕事があったり約束があったりと治療が煩わしく感じる事もありますが、目先に捕らわれずにしっかり治して行きましょう。
もし、まだ痛くて治療に通いたいのに「治療費を打ち切る」と言われたり、あからさまに「症状固定してもらわないとお支払いできませんよ!」と言ってくることがありますが、その時は「では治療担当者と相談します」と言って頂ければ大丈夫です。
全国の整骨院は交通事故の取り扱いのエキスパートでもありすので「保険会社からこんなこと言われた―」とお気軽にご相談下さい。
適切なアドバイスと対処法もお話致します。