整骨院では交通事故によるお怪我、手術後のリハビリ等を自賠責保険を使用し治療を行えます。ご自身が被害者の場合【加害者側の任意保険会社】が自賠責保険適用範囲内の金額で代行してくれるという形です。当院では月に5~10件程度の交通事故案件での治療を行っています。今現在も各損害保険会社と交渉をしていますが『担当者によってかなりの差がある』ことが著名になってきました。
昨今の保険業界ではビックモーター事件もあり、数年前よりかなりの変化があります。その変化に戸惑いもありつつ、日々アップデートしています。もしも交通事故に遭われて、お身体のことや保険会社とのやりとりで悩んでいる方はご参考下さい。
1,診断書が必須!事故後2週間以内に取りに行かなければならない
整骨院で受診される際は、病院の『診断書』が必須となります。
しかも事故後から2週間以内のもの。と限定してくる保険会社も出てきました。事故後すぐに病院へ行ければ良いですが、ちょっと当たっただけで軽傷だから平気!と言って病院に行かず、後になって痛くなってしまっても、2週間過ぎた診断書は保険会社によっては認められません。
実際に『あいおいニッセイ同和損保』さんとの交渉で、患者さんが「事故から1か月過ぎたけど、頭痛も収まらないし手の痺れがでてきたな」と訴えたので整形外科に行き新しい診断書を書いて頂きました。それを提出するも
⇒「事故から2週間過ぎているので、事故との因果関係はありえません」
と突っぱねられた方もいます。ちなみに医師から【交通事故による因果関係によるもの】と一筆書いて頂いたにも関わらずです。
2023年までは整骨院(柔道整復師)でも診断書を書いて認められていました。ですが2024年になってからは、私たちが書いた診断書では「効力がない」と判断され「医師の診断書のみ有効」となりました。同じ症状名を入れててもです。
2,診断書を書いてもらえない!当日もらえない!
交通事故後、救急搬送された病院が大学病院または国立、公立病院のような大きな病院では『非常勤医師や研修医』が担当する場合があります。その際に診断書を書いてもらえないケースが多くなってきました。また、緊急搬送の時は診断書もらうなんて余裕がありません。症状が落ち着き後日もらおうとしても「担当の医師じゃないと書けない」と言われ、その日に貰えないケースも多いです。
医師もシフト制なので、担当した医師が次の出勤が2週間後・・・なんてこともあります。
また地域の一般病院(ベッド数が20以下)の個人でやられてる医師からは「忙しくて書いてる暇がない」が実際にあります。露骨に書くのを嫌がる先生もいるため、患者さんがもらいにくい状態となっています。
特に高齢者の方は、日本人特有のおもいやり精神が働き「先生いつも忙しそうだから診断書はいつでも待つわ」といつまでも診断書が入手できない優しすぎる方もいます。
診断書を早期に書いてもらう方法
整骨院で治療・リハビリを検討するならば、診断書が必要です。色んな状況が想定されますが、直ぐに診断書を書いてもらうには
⇒「警察と保険会社、職場または学校に提出するため必要です」と伝えてみてください。
実際に、働いている方は【休業補償】などの手続きもある為すぐに必要ですから。
3,診断書記載の症状名が少なすぎる!
昨今の医師で【交通事故の診断書は定型文】の方がいます。特にむち打ち症状の首の場合は【頸椎捻挫で2週間の安静を要する】だけ書いてあるのも多く見られます。
確かに後方からの追突事故の場合、頸椎捻挫の診断で合っています。ですが症状は首だけでは無いことも十分考えられます。時間がたってから頭痛・めまい・吐き気などの不定愁訴、上腕や手に痺れが出現する神経障害など、数多くの後遺症がでる場合があります。
衝突=物凄い衝撃
目に見えませんが、かなりの負荷がかかるのは解りますね?衝突などを数値化した研究機関の論文もあるのでこちらを参考下さい。
「むち打ちだから首って書いとくねー」だけでは絶対に足りません。必ず何かしら後から出てきます。
〇車体の破損程度が微々たるものなら⇒1部位でもOK
〇車体が修理必須、全損扱い⇒あとから症状が出る可能性大
事故当日はアドレナリンや恐怖感もあり、身体の痛みなんて気にしてられません。何かしら1~2週間後に出るんだなと覚えておいてください。そして今一度医師が書いた診断書を見直してみてください。
何故か?
診断書記載の部位しか治療できないからです。
4,診断書に記載してても、保険会社から治療箇所を少なくしろと言われた!
これも2023年頃から多くなってきました。実際にあったものをご紹介します。
保険会社の担当者の方から、当院に電話が来ます。
「あのー、〇〇さんの事故の件ですがー、診断書には①首②肩③腰④足首って4つの部位が書いてありますけどー、実際の事故は大したことないんでー、2部位に減らしてくださーい。〇〇さんには了承貰ってるんでー」
何言ってんの貴様?
となりませんか?
「弊社独自のー、事故とケガの因果関係の資料からするとー、時速40㎞での衝突はー、首と腰なら認められますけどー、肩と足首はありえないんですよー」
貴様は患者様の容態を直接見たのか?診れる知識と資格があるのか?
そうです。
保険会社の担当者は、紙面上か電話越しでのやり取りしかしません。会社員ですからそれが普通ですが、普通すぎるがゆえに【電話越しで全て完結してくる】のです。恐ろしい世の中だと思いませんか?
もしも「部位を減らせ、〇〇部位だけの治療にしろ」などの指定が入ったら
⇒弁護士と相談して決めるので、今は診断書通りで治療を受けます
と伝えてみてください。この状況で弁護士と契約してなくても大丈夫です。あくまで一旦専門家と話し合ってから折り返すというのは悪い手ではないからです。
5,兎に角診断書を適正に書いてもらおう
いかがでしょうか?
昨今の保険事情の変化があまりにも被害者に対して厳しくなってきました。貰い事故でこんなに困ってるのに、医師も冷たい保険会社も冷たいと二重でお悩みの方が非常に多いです。
①事故後はすぐに病院へ行く
②痛い所、身体の気になる箇所全て伝える
③その全てを診断書に書いてもらう
④医師にめんどくさい、嫌そうな顔をされたら「警察と保険会社に直ぐに出すので」と言う
⑤その診断書を持って、整骨院へ受診する
⑥保険会社から「部位を減らせ」と言われたら「弁護士と相談する」と伝える
今一度ご自身の診断書を要確認してみてください。