交通事故は物損事故人身事故に分かれますが、以前は自動車関連の仕事をしていましたので、間接的ですが物損事故に携わってきました。今の修復技術は修理した所自体わからないほどですが、だいぶ昔は色の違いやズレなどがあり揉めることも。

今の仕事に携わり交通事故外傷で来られる方々を見ていると、今の方が物損より揉めるケースが多いと感じました。

軽いケガでも軽く見ないで下さい

中学生の娘さんを持つお父様ですが、娘さんが事故に合って少し間が空いてから来院されました。もちろん100%相手方に過失がある事故なのですが、どうやら初めから揉めていた様子なのです。事故の規模は

①友達と自転車で帰宅途中
②交差点で乗用車と一時停止でお互いがお見合い
③車が来ないであろうと、娘さんと友達は直進
④乗用車の方も、女の子達が止まったままであろうと左折
⑤双方飛び出る形となりぶつかる

幸いにもスピードは出ておらず友達の方が転倒した際に足が腫れるだけの軽傷に。

その子自身も打撲や捻挫。2、3日したら痛みが引いてきた様でしたので治療を受けることに消極的でした。

しかしお父さまは、ご自身の経験からも後々の事に備えてしっかり診て貰った方がよいとの事で、少々強引ではあるものの病院で診てもらうため連れて行ったのでした。

レントゲンを撮って骨に異常が無いか見て、医師は現状痛みが無いか確認したら「まあ子供の怪我なんてすぐ治っちゃいますよ」と言って終わらせようとした様なのです。

確かに医師の言っていることに間違いはないのですが・・・

 

中学生は成長期の最も著しい時期ですし次々と新しい細胞に変わりどんどん大きくなっていきますので小さなけがは本当に治ってしまう事があります。

しかし、女の子だからというほかにお父様が心配している理由は他にも有ったのです。この子は部活動で記録を出している選手でもあり、大会も近いという事もあるので今回の事故が原因で影響があるのでは?と心配しているのです。

そこに来て、この対応をされたことでお父様は大変立腹されてしまったようです。

更に保険会社に至っては大きなけがではないのでという事で症状固定を迫ってきたようで何人か担当を変えても埒が明かずに、お客様相談窓口で対応してもらい、やっと話の分かる担当者に対応して頂いたようです。

治療に至っても始めからそんな調子の医師のもとではと不安になったことで、整骨院で治療を望まれたのですが、当初予定していた整骨院さんは来られる時間帯に間に合わないとのことで、遅い時間まで対応している当院に切り替える事になりました。

来院された当初にお父様からここに至ることの顛末をお話し頂きましたが、当の本人は相変わらずの治療に消極的で、その分「練習がしたい」ということでした。ここで重要なのは

 

①事故に遭うとその場はなんでもなくても後々痛みが出てくることもある

②今痛くないからと言って無治療でガンガン練習してしまうと事故の痛みが出やすくなる

③本番当初に痛みを抱えながら出場しなければならなくなる事も有る

 

旨をお話ししたら、どうも事故後に走り方が変わり痛みが出てきたとの事でした。

いくつかの治療法を提案し、受傷患部を治療したら痛みが軽快になり、動き易くなったことで積極的に治療に来てもらえるようになりました。

 

 

 

保険会社の対応の仕方がなんだかおかしい

保険会社は民間企業で営利目的の会社であることが前提ではありますが、まず収益を出したい為に支出を少なくしたいという事があります。

そのために「どういうケガをしたか」がメインとなり重症度は無視となります。例を挙げますと

 

「捻挫をした」=「何日位で治る」=「治療費いくら」

 

と相場が決まっているのです。

これがいわゆる算定基準です。なので早く状態を医者に見てもらい診断書を作成してほしいのです。保険会社は初めは「お怪我無いですか?」「大丈夫ですか?」と言いつつ「期間」と「治療費」が決まったらそれ以外の話は聞かなくなるので揉めるのです。

また別のケースでは一昔前にはいつまでも首が痛いなどの保険金詐欺まがいの事案が多く基準が厳しくなってしまった事で本当に痛い人が救われなくなる事も有ります、

 

整骨院行くなら通院は辞めてね!医師は、人によることがあります

これは最近では病院の評判に繋がる事も有り、インフォムードコンセントに基づくように対応が改善されてきたようですが、一部の医師によりますが言っている事は間違えていないのですが、

患者さんが置き去りになってしまう様ないい加減な対応になる医師がいるようです。

最近実際に患者様が言われたことを直接掲載しますと

 

『整骨院行くなら診断書も出さないし、治療もしないよ!』

『他行くなら病院の通院は辞めてね!後で痛みがぶり返してもこっちの保証はないし検査はしないよ!』

 

 

本当に言われます。

何故痛みで苦しんでいるのに、こんな対応をされなければいけないのでしょうか?あなたそもそも医者でしょう?医療に携わってる人が目の前の事故の被害者が困っていて来てるのに、保険会社の対応だけ気にして、診ないなんてことがあっていいのでしょうか?

悲しいことに、年々整骨院の立場が弱くなりまるで腫れものの様にされてることが現実にあります。もちろん親切なお医者様もいらっしゃいますが、昨今ではこの様に言われることが多くなってきました。

いざ病院だけの治療といえば、湿布と痛み止めしか出さないとか・・・

人によりますが・・・

また、医師でも事故対応を面倒くさがる方も中にはいらっしゃいます。なにぶん通常の保険診療であればカルテに書けば事務的な部分は事務方がやってくれますが、普段の外来の混雑さからまともに昼休みも無い事がざらにある様で、事故手続きとなりますと診断書を書いたり保険会社からの書類を書いたり病院によって違いますが手間がかかる分煩わしく感じるようです。

 

痛いのに治せない様な言われ方をされたらどうすれば?

治療にかかるお金をケガさせた人が払うのは民法に基づいた事ですが、そこには実際に相手する保険会社の担当者が、背景に加入者がいるという事を忘れて対応しているのではないでしょうか?

よく専任の担当者がお相手しますといった触れ込みを耳にしますが、こうなると事故対応の担当者(相手側保険会社)を変更したくなります。しかしおいそれと変更できるものなんでしょうか?実は正当な理由であれば「可能」となります。

ただし相手が気に入らないと言うだけの理由では変えてもらえません。その場で担当に「上司を出してくれ」とか「お前じゃ話にならん」と言っても暖簾に腕押しです。

❶まず冷静に相手の話を聞く

❷決して担当者直接に言わない方がよいでしょう

❸その場では何も言わずにお客様センターに電話してみてください

 

必ずしもではありませんが現在の担当者に、このように対応されたと申し出てみましょう。お客様センターは本部直轄が多いので比較スムーズに交代してくれます。

ただし自分の意に沿わないからと言って変更を申し出ても叶わない事も有りますので、その時は理由をしっかり聞いてから次の段階に移行することが得策です。

また、その保険会社以外に外部の「一般社団法人日本損害保険協会 そんぽADRセンター」という相談窓口もあります。

 

認識の違いが誤解を生むことも

テレビ放送で通販型自動車保険のCMをご覧になったことがあるやもしれませんが、やたらと「お客様対応」や「事故対応」NO.1を謳っていませんか?

つまりそれだけ対応に不満を持っている方が多いといった事でしょうか。

実は原因のもう一つに認識の違いもあります。従来型自動車保険(代理店を通した契約)における保険料より、通販(ダイレクト)型自動車保険の保険料の方が安いですよね?このダイレクト型の補償内容は一見同じに見えても内容がかなり薄い部分もあり、代理店型との違いがトラブルになったりすることもあります。

特に代理店型から移行された方は注意が必要です。

 

昨今は無事故だからと言って等級が上がった分次年度の割引がなされている訳ではなく、車種や年齢などの事故リスクで保険料が決まりますので、事故リスクの低い方がピンポイントで割引になる形で、補償内容は事故率が低いならそこまで手厚い保証はいらないよね?という発想から保険料を安く抑えられます。

しかし補償内容とは被害者に対して行われるものなので、これを安く抑えている以上薄い内容ではトラブルになるリスクを秘めてしまいます。その認識の違いによる対応こそが今後の課題と言えるでしょう。そのために今回のケースのように「ケガした本人置いてけぼり」状態となり易く、痛いのに治療ができないことも出やすいのです。

 

基本的に相手保険会社は治療を終わらせて欲しい訳ですから、補償内容に関係なく「お金を極力払わない」方向に持っていこうとし、そのためには様々な手を使います。

特に保険担当者が「治療費の支払いを打ち切ります」とか「症状固定して下さい」と言われる事が多いようですが、治っていないのにここまでですといった対応はおかしいですよね?担当者の成績を優先されても、被害者は迷惑です。

この様な事故対応に疑問を感じたら「全国交通事故弁護団」のホームページをご覧になって頂くのも良いと思います。なかなか事故対応に慣れている人は居ないものなので、どのようにしたらよいか書いてあります。

 

 

もしも交通事故後で揉めてしまった場合、弁護士特約を利用しましょう

事故対応自体誰でも煩わしく感じますし厄介です。普段から慣れないからこそ分からないことだらけです。

そんな時は、ご家族で自動車保険に「弁護士特約」をオプションで付けられている方がいらっしゃれば、弁護士費用の心配をせずに対応して頂く事が出来ます。この時も保険会社は「弁護士を出すと相手も弁護士を出してきますので余計もめますよ」などと言ってきたりしますが心配いりません。

弁護士の本来の目的は依頼者の利益のために動きますので、決められた費用を超えるようなことはしませんし、裁判にしないで納めることを目的とします。

またかかった費用も丸抱えになることも多いので、次年度の保険料が上がる心配もないケースが多いです。(契約内容によりますので、必ず約款を確認してください)

またこの特約は弁護士を保険会社が紹介するのではなく費用を代わりに払ってくれる特約ですので、弁護士は自分で探す必要があります。市役所にパンフレットが有るところもございますが、当院では交通事故に特化した専門の弁護士事務所とも提携しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。