労災-min

「仕事中に大怪我をしてしまった……」

「職場で荷物を足に落としてしまった」

「通勤途中に事故に遭って骨折をしてしまった」

「帰宅中に転倒してしまった」 等

このような事例の時には「労災保険」という保険給付を行うことができます。
労働者災害補償保険法」に基づく制度で

①業務上災害
②通勤災害 等

により負傷・疫病・障害が残った場合死亡した場合等について、被災労働者又はその遺族に対し所定の保険給付を行う制度です。労働者にとって頼もしい保険だということですね!

労災保険の「業務上」ってどこからどこまで?

業務上災害とは、労働者が就業中に、業務が原因となって発生した災害をいいます。業務上災害については、労働基準法に使用者が療養補償その他の補償をしなければならないと定められています。

労働者が確実に補償を受けられるようにするため、及び事業主の補償負担の軽減のために労災保険制度が設けられ、下記のとおり労働者を一人でも使用すれば強制的に適用事業とすることとし、被災労働者が労災保険による補償給付を受けた場合は、使用者は労働基準法の補償義務を免除されることとされたものです。

 

勤務中に仕事が原因となる災害は「使用者(社長)」が補償をしなければなりません。労災保険によって使用者(社長)は補償義務を免除され、確実に補償を受けれるということですねっ!

 

業務とはいつから始まっていつ終わるのか?

業務上の災害ってどこからどこまでが適用されるのか?

適用されるのは会社に着いてからではなく、朝家から一歩外に出たときにスタートです!玄関を出た瞬間、自転車に飛ばされた場合でも「通勤途中」ですので労災保険を適用されます。

 

帰り道は労災適用か?

⇒帰りは、どこも寄らずに真っ直ぐ帰宅する中で事故等に合われた場合は適用されます。

「息子にアイスを買って来てと言われたからスーパーで買っていこう」
「ちょっと一息温泉でも入っていくかー」等

寄り道をした施設でなにか災害や怪我をしても、保険は適用されません。厳密には、地図上で職場から自宅に1本線を引き、最短距離にて計算されます。立ち寄った場所が、帰宅ルートから大きく外れていた場合&出張等で出かけていた場合などは弁護士の介入をお勧めします。

 

昨今の労災事情

この適用範囲について簡単に触れておきますと、業務期間中ならすべてと思っているとこれは危険です。

業務を行っている最中にと思った方がよいでしょう。また通勤中はどうかというとこれも注意が必要です。

A,就労時間中にちょっとタバコを吸っていて火を落としてやけどしたら?

これは業務中の出来事には当たりません。

 

B,通常の通勤ルートから逸脱して起きたこと

対象外です。ただし、振り替え輸送や通常ルートでの通勤困難については、会社の労災担当の方に聞いてみてください。大体通るはずです。

 

一昔前には業務中の事故において、会社が労災を使うことを渋っていた話をよく聞きました。今もたまに聞きますが、最近では労災対象に事案に対し使わせない方がうるさく言われる傾向にあるようです。

労災の保険料は会社負担なので、給料から引かれることはありません。手続きも会社の担当者が行います。よく手続きが大変と言いますが、そんなことはありません。

またパート、アルバイトだからということもありませんので申請してみましょう。

 

労働者って正社員だけ?パート・アルバイトも労働者?

労働者を一人でも使用する事業(個人経営の農業、水産業で労働者数5人未満の場合、個人経営の林業で労働者を常時には使用しない場合を除く)は、適用事業として労災保険法の適用を受けることになります。

加入の手続をとり(保険関係成立届の提出)、保険料を納付しなければなりません。保険料は全額事業主負担です。

加入は事業場ごとに行うもので労働者ごとではありません。適用事業場に使用されている労働者であれば誰でも、業務上災害又は通勤災害により負傷等をした場合は保険給付を受けることができます。

労働者とは、正社員のみならずパート、アルバイト等にも使用されて賃金を支給される方全てを言います。

 

健康保険というのを基本的に使用すると思うのですが、健康保険じゃだめなの?

労働者の負傷、疾病等に対する保険制度としては、労災保険のほかに健康保険がありますが、健康保険法では労働者の業務以外の事由による疾病、負傷、死亡等に関して保険給付を行うと定められています。

業務上災害について健康保険による給付を受けること(健康保険被保険者証を提示して治療を受けるなど)はできません。
仕事が原因で負傷した場合は、「労災保険」を使用しましょう。

 

労災保険が支給される種類

保険給付の種類 支 給 事 由
療養
(補償)給付
(注1)
療養の給付
(注2)
業務災害又は通勤災害による傷病について、労災病院又は労災指定医療機関等で療養する場合
療養の費用の支給
(注3)
業務災害又は通勤災害による傷病について、労災病院又は労災指定医療機関以外の医療機関等で療養する場合
休業(補償)給付 業務災害又は通勤災害による傷病に係る療養のため労働することができず、賃金を受けられない日が4日以上に及ぶ場合
障害(補償)給付 障害(補償)年金 業務災害又は通勤災害による傷病が治ったとき(注4)に、障害等級第1級から第7級までに該当する障害が残った場合
障害(補償)一時金 業務災害又は通勤災害による傷病が治ったときに、障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残った場合
遺族(補償)給付 遺族(補償)年金 業務災害又は通勤災害により死亡した場合(法律上死亡とみなされる場合、死亡と推定される場合を含む。)
遺族(補償)一時金
  1. 遺族(補償)年金を受け取る遺族がいない場合
  2. 遺族(補償)年金の受給者が失権し、他に遺族(補償)年金を受けることができる遺族がいない場合で、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たないとき
葬祭料
(葬祭給付)
業務災害又は通勤災害により死亡した方の葬祭を行う場合
傷病(補償)年金 業務災害又は通勤災害による傷病が、1年6か月を経過した日、又は同日以後において治っておらず、傷病による障害の程度が傷病等級に該当する場合
介護(補償)給付 障害(補償)年金又は傷病(補償)年金の受給者で、介護を要する場合
二次健康診断等給付 事業主の行う健康診断等のうち直近のもの(一次健康診断)において、次のいずれにも該当する場合

  1. 検査を受けた労働者が、血圧測定、血中脂質検査、血糖検査、腹囲の検査又はBMI(肥満度)の測定の全ての検査において異常の所見があると診断されていること
  2. 脳血管疾患または心臓疾患の症状を有していないと認められること

労災保険情報センター参照)

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