昨今、総合格闘技の出現によりプロレスはお約束事のショーだと言われ(昔からいわれているが)、時代と共に技も高度になり、大怪我が増え、死亡するケースもあります。記憶に新しいのは、2009年6月13日広島でプロレス団体ノアの試合で社長でありエースの三沢光晴選手がバックドロップを受け頚髄断裂で死亡する事故が起こった。

高山善廣選手は特に脱臼や骨折でないのですが、前方へ回転する際、上手く頭を丸めることが出来ず、自分の体重が頸へのしかかり、強烈な負担が招いた事故になります。

 

テレビで活躍中の北斗晶さんもプロレスの試合中、コーナー2段目、約1.5メートルの高さからパイルドライバーを食らい、頸椎を骨折し8ヶ月の入院を余儀なくされ、医師から下半身不随になると伝えられたが、驚異の回復で下半身不随になる事もなく現役復帰を果たした。

 

昨年からガラガラ声で何を言っているか分からないキャラでバラエティー番組にも出演でプロレスを知らない人でも知っているコケシの愛称の本間朋晃選手も今年3月に沖縄でDDTという技を受けマットに頭を打ち付けられ、頚を損傷して中心性頚髄損傷で動けなくなり入院を余技無くされました。

 

 

 

そして今度は、プロレス界の帝王と異名を持つ高山善廣選手が5月4日のプロレス団体DDTの大会で相手に前方回転エビ固めをかけた際に頭部を強打し、頸髄完全損傷を負う事態になり、首から下が全く動かない状況になってしまいた。

 




 

小泉がお薦めする高山の試合

高山善廣選手はもともと今や総合格闘技RIZINのバイザー高田伸彦率いる伝説のプロレス団体UWFに所属。後に新日本プロレスへ殴り込みの形で参戦、同じUWFで同志安生洋二、山本健一とゴールデンカップスで活躍、全日本プロレスでは、大森隆雄とノーフィアーで暴れ。

1990年代後半グレイシー一族がアメリカの総合格闘技団体UFCで伝説になり、日本でも総合格闘技ブームが到来しプロレスが影を潜める中、高山善廣選手プロレスラーとして当時の日本の総合格闘技イベントPRIDEに参戦する。当時PRIDEの番長と異名を持つトップファイター!ドンフライ戦で、負けはしたが、格闘技ファンなら誰でも知っている試合。試合開始のゴングが鳴ると、お互いの頭を掴みあい顔面へパンチを打ち合う衝撃な試合でファンを魅了した。後にプロレス団体ノアで第一線で試合をし、そうかと思えば、インディーズ団体DDTに参戦。

50歳を超えても現役バリバリのレスラーでした。そのDDTでの試合での大惨事。

 

 

 

北斗晶さん、本間選手、今回の高山選手、いずれも一歩間違えれば死んでしまう事故です。

 

 

 

 

頚髄損傷・断裂とは?

頚髄は脊髄(脳と体をつなぐ中枢神経)の頚の部分(下図では紫色)を指します。椎骨が連なりその中を脊柱管が走りその中に脊髄があります。XジャパンのYOSHIKIさんはこの脊柱管が狭くなり脊髄を圧迫して手術をしましたよね。断裂よりかはまだ症状的には軽い方だと言えます。慢性的に起こる事が多く神経根がなんらかの原因で圧迫され痛み痺れをおこします。障害は原因側の肩から手に症状が起きます。※こちらの症状でしたら整骨院で治療が出来ます(あくまで軽度なもの)

脊柱管は骨の空間にある為、まだ骨の壁に守られているので軽度ですが、断裂・損傷となると軽度では済まされません。

 

頚髄損傷の原因として

バイクや車などの交通事故、高所からの転落、転倒、スポーツ(水泳の飛び込み、ラグビーなど)男女比でも圧倒的に男子が女子よりも多いです。

 

 

症状としてはどこの箇所も重度障害が残ります

上位頚髄損傷では、頚部痛、後頭部痛、呼吸困難、酷くなると四肢麻痺になる恐れがあります。この部分では、脊柱管が広い為あまり損傷が少ないとされています。しかし重度になると四肢麻痺になる事があります。

中位、下位頚髄損傷になると、頸部の運動痛や運動制限が起こり脊柱管も狭くなっている為脊髄損傷がみられ、四肢麻痺を起こします。脊髄が損傷されなくても、神経根が損傷されると肩や腕、手の痛みや痺れ、筋力低下が起こります。

 

 

立って歩くことが出来ないので、基本車椅子生活になります。

 

 

〇知覚機能もマヒ

〇熱い冷たい、痛いが分からい

〇ケガ、火傷をしやすくなる

〇感覚が無いため、褥瘡(床ずれ)が起こりやすい

〇自律神経が傷つき、体温調節も困難

〇暑さ寒さに鈍感になりエアコンが必需品に

〇排泄に必要な筋肉もマヒしてしまう為、通常に排泄することも難しい(排泄障害)排尿ではカテーテル処置することもあります。

 

 

 

大がかりな大手術になります

細胞移植療法、または損傷部位に神経栄養因子、肝細胞増殖因子、顆粒球コロニー刺激因子を注入する治療を行うようです。もちろん、頸椎の脱臼や骨折で、頚髄損傷したのであれば先に脱臼、骨折を手術で整復して固定して安静を保たなければなりません。頚髄損傷から呼吸が困難になったらその処置も必須になります。重症になると常に命と関わりますので、非常に危険な怪我と言えます。

 

 

背骨の中を通る脊髄から椎骨と椎骨の間から枝分かれで全身に神経が分布されます。椎骨と椎骨の間から出る神経の付け根の部分を神経根と呼びます。上図を【デルマトーム】と言い、色が同じ個所は感覚が全て繋がっています。つまり、首の骨を損傷すると、赤色以下↓(黄色・緑・青色全色)下側の感覚を全て失うと言えます。

 

 

 

〇第四頚髄〇 食事や歯磨き、身の回りの事が全てできなくなります。

〇第五頚髄〇 肩や肘を動かす事は可能、手にする固定具を使えば食事や書字を行う事も可能です。

〇第六頚髄〇 身の回りの事が出来ます。自動車の運転も可能になりますが体力と訓練が必要になります。

〇第七頸椎〇 日常生活が一人で行えるようになってきます。

 

 

プロレスだけでなく、衝突や頸に衝撃が伴うスポーツには起こりうります。

頸をしっかり鍛え予防をしましょう。

 

 

 

 

格闘家の必須トレーニング!自宅でも簡単に出来る頸の筋トレ

負荷をかけない超ビギナー編

仰向けになり頭だけを起こす。これをできるだけ✖3セット。横向きで寝て頭を起こす。できるだけ✖3セット

 

 

負荷をかけたビギナー編

座位の状態で頭を少し下げ、両手で後頭部を包み込みます(指をがっちり絡ませます)両手で抵抗を掛けながら頭を反らすように起こします。

タオルを後頭部にかけ両手で持ちタオルの力を前方に、同時に頭を後方へそらします。

 

 

 

上級編

ブリッチをし両手を話し腕を組み頸でバランスを取ります。さらに、首を前後左右に動かす方もいらっしゃいますね。

上級者限定なので普段から頸を鍛えてない方はやらないで下さい。

 

 

ラグビー部だった私は必ず試合前に中腰姿勢パートナに頭を押さえつけてもらい、同様に頭をおこすようにして首の筋トレを行い試合に出ていました。

 

 

 

 

 

 

治療として

うつ伏せでのマッサージで肩甲骨周りから、肩、頸部をよくほぐしてあげて、最後に仰向けになり、よく頸部をじっくり牽引してあげます。牽引は頸部のつまりや圧迫を緩和させる為です。

後は、疼痛緩和を目的に電気をかけます。症状が重く状況によっては超音波での治療も有効です。

7回程度、集中して来院していただければ症状は改善していきます。痛み、痺れが強い場合は、頸椎コルセットを巻くと良いでしょう!もし、首の痛み、手の痺れを感じましたら是非ご相談下さい。

 

 

 

整骨院での治療は受傷後~リハビリ1年間病院での理学療法士と日常生活に戻る力を取り戻してからになります。実はこういう怪我(あくまで手術対象ではないもの)が多い為、プロレス出身・格闘技出身の柔道整復師やトレーナーは多いんですよ!最前線で活躍していた選手にしか解らない悩みまでも、格闘家経験者ならではの『見立て』があるので、非常に頼りになりますね!

 

Sponsored Links