事故処理には2種類ありまして「人身事故扱い」と「物損事故扱い」が有りますがご存知ですか?また聞いたことあるけど違いは判りますか?

これには刑事と民事が存在しており「物損事故」として事故処理をすると行政(刑事)処分にはならないのです。

公共物を含め物の弁償となりますと同じもの、あるいは同等の価値のもの又は修理で治るものは双方の合意の元で完了すれば「刑事事件にはしませんよ」

となっているからです。なにせ事故件数を考えますと処理しきれないのでちゃんと弁償しないと器物損壊罪など適用対象になり悪質とみなされ重い刑罰に処せられます。

「人身事故」として処理をするということは、ケガ人が存在しますので刑事事件(傷害事件)になります。当然行政処分になり違反切符が切られます。物損事故でも治療費は出るよと言われますが。

これは民事となり相手の保険会社は物損事故扱いですから大したケガでは無いですよね?の前提となり治療費程度がやっとでしょう。

人身事故として刑事事件となりますと相手の過失が鮮明となるのと証拠として残りますので慰謝料や後遺障害までちゃんと支払われます。特に金額が大きく変わりますので必ず人身扱いにしておきましょう。

「痛くないから大丈夫」は危険信号

衝突時事故の場合、衝突時は自分を守るために全身に力が入り、直後は興奮状態にありますので痛みに対し鈍くなっております。ここに落とし穴が・・・

実は事故に遭った衝撃やショック等の興奮で記憶が整理できていない状態にあり、頭をぶつけてもコブに後から気づいたりすることも多く、軽い脳震盪に陥ってちょっと記憶が無いことが起こる事も...
この後処理が終わり落ち着いてきますと段々と痛みが出てきます。特に体の痛みは翌日以降にじわじわ始まり、1週間後くらいにはかなり痛くなります。

まだどれだけ大きな症状が出るか分からないので人身扱いにして、当日又は翌日に自覚症状が無くても病院で画像診断を受けてください。頭にコブがある又は頭を打ったり事故の記憶が無い人は脳に何らかのダメージがある場合が有りますのですぐに病院へ行ってください(特に頭部損傷は命にかかわりますので1週間は激しい運動など控え様子を見てください)

そして事故の内容と共にきちんと医師にお話をしておきますと翌日以降に身体が痛くなっても問題なくかかる事が出来ます。そして診断書を必ず書いてもらってください。

そうすることで後から痛みが出てきても保険でおりやすくなるのです。

 

知らず知らずに自分で値引きしていたなんて…

さて治療が始まりますが、治療をおろそかにすると後遺障害の認定が低くなり、たとえ痛くてもまともにお金が出なくなります。正当な権利としてこれだけは覚えておきましょう。

①治療費(物損は自腹になる事も)
②付添看護費用(入院すると必要です)
③休業損害(お給料が保証されます)
④入院慰謝料(慰謝料です)
⑤後遺障害慰謝料(これがでかいです人身事故ならね)
⑥後遺障害逸失利益(事故のおかげで出来なくなったことを保証してくれます)

これだけのものが正当な権利として賠償されます。
物損事故で扱いますとおそらく治療費もほとんど自腹になるかもしれません。なぜなら物損事故扱いでと言った後から痛いと言ってしまうと保険会.社は怪しむからです。

お金の話を先に書きましたが、一番に考えてほしいのは身体を元に戻すことです。

もし大きな事故に遭われて、切断を余儀なくされたらどうでしょうか?そのために働けなくなったらいかがでしょう?数千万円のお金が下りたとしてもこう言いませんか?「元に戻してくれ」と・・・

「それほど大きな事故じゃないし、強く打ったわけじゃないから我慢できない痛みじゃないし、仕事が忙しいから時間が取れないよ」と皆さん大概おっしゃいます。

だからといって通院を怠りますと痺れが後遺症として残りやすくなるのです。相手方保険会社は治療回数の少なさを理由に認めないことが有ります。治療によって休業を余儀なくされれば、仮にお給料が下がってもその分の保証が出ます(休業補償)事故のおかげで得られなかった利益も保証してくれるのです(逸失利益)

皆さんは正当な賠償を自ら放棄しているのかも知れません。もちろん人身と物損では支払われる金額が大きく変わります。

 

まだ間に合う?!どうやって切り替えればいいの?!

もし物損扱いにして人身に切り替えたい方は、早めに受診して医師に診断書を書いてもらいましょう。

診断書を持って警察へ行き人身事故の切り替え申請を行います。これは速やかに行わないと受理されないこともありますので、3日から10日以内に済ませましょう。

もし受け付けてもらえない場合は、保険会社に民事的人身扱いに切り替えてもらいましょう。保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」が有りますので取り寄せて提出します。

ただし保険会社はアレコレと聞いてきますので、なるべく専門知識のある方と相談しながら手続きしてください。

 

「症状固定」がターニングポイント

「症状固定」とはこれ以上治療を施しても回復の見込めない状態を指します。これ以降の症状は「後遺障害」となります(いわゆる後遺症です)

症状固定と言う診断を出せるのも医師しかおりませんので、保険会社がなんと言おうと医師が出さない限りは治療に通って頂くに限ります(ここがヤマ場です)

キチンと通院していただくと医療担当者は症状や状態を把握しやすくなり医師の症状固定が出た後の後遺障害認定がちゃんとした等級で出てくれます。

ここを疎かにしますとどんなに痺れを訴えても「ちゃんと治療を受けていませんよね?」と言って後遺認定を相手の保険会社は認めてくれませんし、担当医も嘘は書けませんのでありのままを書くしかないのです。保険会社も産業医がおりますので検証すれば分かりますから、いかに通院が大事になるか一目瞭然ですね。

この診断が出ましたら今度は後遺障害等級認定を行います。要介護認定の1級から14級まで細かく有りますのでキチンと専門家をつけておくとスムーズに話がまとまるでしょう。

そして後遺障害逸失利益も出ますが、後遺障害によって出来なくなったものが保証されます。

 

事故の治療は日常の治療に

普段のいつも通りの生活リズムが崩れてしまう身体の痛み。普通に生活するためにこれを我慢したり、後回しにして段々と痛くなってから始めて受診するのではないでしょうか?

その原因は日常生活に負担のかかる事、あるいは負担を解消できない生活習慣から発生しているということです。

途中で痛みが少なくなったからと言って治療を辞めてしまうと、そこからまた痛みが出てきてしまいますので痛みが取れるまでは通院して頂きたいのです。

(ぎっくり腰の癖になるのはコレです)

事故も同じ感覚でいる方が非常に多いのも現実です。普段の生活に早く戻したくて痛みのある体を普段の生活に合わせていませんか?

痛くなるとまず痛い所を庇って動かさないようにしませんか?その姿勢は体幹が捻られています。その状態で動きますので身体はとても疲れます。

そうやって痛いところが少しずつ庇えなくなったり、そこを使わざるを得ないので少しずつを繰り返してしまい痛みが増幅し悪化するのです。

医師は痛み止めを処方して痛みを感じなくしてしまいますが、これは発痛物質を遮断していますので薬が効いている間だけ効果が有ります。

その間安静にして痛いところが治るのであれば、薬が切れても痛みは出ないので治ったことになります。

私たちは患部周囲の筋肉や組織に施術することで、炎症や過緊張している所をほぐす事で、支える力を取り戻して安静を保ちやすくしていきます。

そして毎日溜まる患者さんの負担を取りながら施術をしていきますので、毎日のように施術して頂くと日々かかっている負担も取れやすくなり早期治癒につながるのです。

事故に遭われますと身体の痛みと精神的なショックと両方にダメージが出ますが一番に考えてほしいのは、後遺障害の出ない元の状態に可能な限り戻すことです。

 

後遺症障害のまとめ

いかがでしたでしょうか。適切に治療をすることで元の状態に戻す事が1番になりますが、後遺障害を少しでも減らす、そして残ってしまったら適切な等級を受けることが非常に大事です。

仕事は生活の根幹になりますが、治療に後では無いのです。後になればなるほど後遺障害になってしまい治るものも治らなくなります。

1日も早く治療を始めて頂き可能な限り治療を施してください。必ず良くなって行きます。

当院では施術を通じて痛みを根本から捉えて治療を行い、ご自宅での運動指導なども含めて早期治癒を目指していきます。

また交通事故など民間の保険会社さんとの手続き等も安心してご相談下さい。